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栽培系

果樹の整枝・せん定・摘果・摘葉の違いを整理する

農業技術検定3級・栽培系で頻出の果樹管理作業(整枝・せん定・摘果・摘葉)の違いを図解つきで整理します。頂芽・側芽の区別もあわせて解説します。

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リンゴやミカンなどの果樹栽培では、枝や実の数を人の手で調整する管理作業が欠かせません。「整枝」「せん定」「摘果」「摘葉」と似たような言葉が並びますが、それぞれ目的も作業内容も異なります。農業技術検定3級の栽培系で頻出のテーマなので、この記事で違いを整理しておきましょう。

果樹の整枝・せん定・摘果・摘葉を示す図解。主幹から伸びる枝に頂芽・側芽の位置、せん定で枝を切る場所、摘果で間引く実、摘葉で取り除く葉がそれぞれ描かれている

頂芽と側芽

まず、作業の対象になる「芽」の位置関係を押さえておきましょう。枝の先端につく芽を頂芽、葉のつけ根につく芽を側芽と呼びます。

芽には、葉や枝になる「葉芽」と、花になる「花芽」の2種類がありますが、この区別は頂芽か側芽かとは直接関係ありません。樹種や品種によって、頂芽にも側芽にも花芽・葉芽の両方が見られます。せん定の際は、どの芽が花芽なのかを見分けることが、翌年の花つき・実つきを左右する重要なポイントになります。

せん定と整枝の違い

  • せん定: 個々の枝を切る作業そのものを指します。枝の途中を切って、切り口の近くから勢いのよい新しい枝を出させる「切り返しせん定」と、枝を付け根から取り除いて枝の混み合いを解消する「間引きせん定」の2種類があり、目的に応じて使い分けます。
  • 整枝: 主枝・亜主枝といった木の骨格となる枝を、日光がまんべんなく当たり、収穫や防除などの作業もしやすい樹形に、長期的な視点で仕立てていく考え方です。

つまり、せん定が「枝を切る」という個々の作業を指すのに対し、整枝は「木全体の形をデザインする」というより大きな視点の作業といえます。両者は密接に関わり合っていますが、指している範囲の広さが違う点を押さえておきましょう。

摘果と摘葉の違い

  • 摘果: たくさんついた果実の一部を早めに取り除き、残した果実に養分を集中させて、大きく品質のよい果実に育てる作業です。木への負担を軽くし、翌年の花芽つきをよくする効果(隔年結果の防止)もあります。リンゴでは、中心の実(中心果)を残し、まわりの実(側果)を摘み取るのが基本とされています。
  • 摘葉(葉摘み): 果実の近くをおおう葉を一部取り除き、果実に日光を当てやすくして着色をよくする作業です。ただし、葉を取りすぎると光合成量が減り、糖度や生育に悪影響が出てしまうため、必要な範囲にとどめることが重要です。

どちらも「果実の一部(もしくは葉の一部)を取り除く」という点は共通していますが、摘果は実の数を減らして大きさ・品質を高める作業、摘葉は葉を減らして日当たり・着色を良くする作業という、目的の違いを押さえておきましょう。

せん定の時期:冬と夏で目的が違う

せん定は、行う季節によって目的が変わります。

  • 冬季せん定:リンゴやナシ、ブドウなどの落葉果樹では、葉が落ちて木が休眠している冬に、骨格づくりや結果枝の整理などの主なせん定を行います。葉がないので枝の配置が見やすく、木への負担も少ない時期です。
  • 夏季せん定:生育期に、混み合った枝や、まっすぐ上に勢いよく伸びる徒長枝を取り除き、樹の内側まで光と風を通します。徒長枝は花芽がつきにくく、養分を多く使ってしまうため、早めに整理するのが基本です。

常緑果樹のカンキツ類では、寒さで傷むのを避けるため、厳寒期を過ぎた春先にせん定することが多くなります。

果樹の仕立て方の例

樹種によって、よく使われる樹形が異なります。

樹形特徴主な果樹の例
開心自然形主幹を低く切り、数本の主枝を斜めに広げて樹の中心を空けるモモ、ウメ、カンキツ
棚仕立て棚の上に枝をはわせ、平面的に広げるニホンナシ、ブドウ、キウイフルーツ
変則主幹形・主幹形中心の幹を立て、そのまわりに枝を配置するリンゴ

リンゴでは、わい性の台木を使って木を小さく仕立てるわい化栽培も広く行われています。木が低いと、せん定や収穫などの作業が楽になり、早くから実がつくという利点があります。

実の数を調整する作業の順番

実の数を減らす作業は、摘果だけではありません。花のつぼみを減らす摘蕾(てきらい)、咲いた花を減らす摘花(てきか)を含め、

摘蕾 → 摘花 → 摘果

の順に、早い段階で行うほど、木の養分のむだづかいが少なくなります。ただし、早く減らしすぎると霜などで実がつかなかったときに取り返しがつかないため、地域の気象条件も見ながら段階的に進めるのが一般的です。

実をつけるための作業:人工受粉と袋かけ

リンゴやニホンナシの多くの品種は、自分の花粉では実がつきにくい自家不和合性という性質を持っています。そのため、別の品種の花粉を筆などで花につける人工受粉を行ったり、受粉用の別品種を近くに植えたりします。

また、実が小さいうちに一つずつ袋をかける袋かけは、病害虫や農薬の付着から実を守り、果皮をきれいに仕上げる目的で行われます。

なぜ検定に出るのか

日本農業技術検定3級の栽培系では、こうした果樹管理の専門用語を、その目的や作業内容とセットで問う問題がよく出題されます。用語だけを丸暗記するのではなく、「何のためにその作業をするのか」「対象は枝なのか、実なのか、葉なのか」という視点で整理しておくと、初めて見る言い回しの問題にも対応しやすくなります。

まとめ

整枝は木全体の樹形づくり、せん定は個々の枝を切る作業、摘果は実の数を減らす作業、摘葉は葉を減らして日当たりを良くする作業です。それぞれ対象と目的が異なるので、図とセットで整理しておきましょう。

演習で理解を確かめたい方は、栽培系の一問一答もあわせてご活用ください。

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