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共通(農業基礎)の一問一答

全受験者が解く必須分野。土壌・肥料、作物、栽培環境、農業機械、食と農のつながりなど、農業全般の基礎を広く問います。3級では最も配点が大きい分野です。

本試験30問(必須)

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現在 100問 を収録しています。何問解くか選んで始めましょう。

何問解きますか?

収録トピックを見る(83種類)
  • 作物の分類
  • 種子・発芽
  • 光合成・呼吸
  • 肥料・必須元素
  • 肥料計算
  • 有機質肥料
  • 土壌
  • 窒素固定
  • 作物の性質
  • 日長反応
  • 栽培管理
  • 受粉・訪花昆虫
  • ほ場作業
  • 作付け方式
  • 連作障害
  • 気象災害
  • 食の安全
  • 病害虫
  • 病害虫防除
  • 畜産の基礎
  • 食と農
  • 農業と環境・社会
  • 種まきの準備
  • 種子の性質
  • 土壌改良資材
  • 品種の性質
  • 農薬の使い方
  • マルチング
  • 家畜の分類
  • 食の安全制度
  • 土壌pH(範囲)
  • 作物の写真
  • 土壌の性質
  • たい肥化
  • 農作業の安全
  • GAP
  • 有機農業
  • 種苗法
  • 農地法
  • スマート農業
  • 光合成の条件
  • 農業の多面的機能
  • 農業保険
  • 蒸散
  • 呼吸
  • 栽培方式
  • 肥料の性質
  • 微量要素
  • 病原菌の分類
  • 総合的病害虫管理
  • 家畜の成長段階
  • 家畜の改良
  • 地産地消
  • 認定農業者制度
  • 中山間地域農業
  • 農家の分類
  • 農業法人
  • 農地の集積・集約化
  • 農業の税務
  • アニマルウェルフェア
  • 食品ロス
  • 農薬の使用基準
  • 品種の歴史
  • 遺伝の基礎
  • 食料需給表
  • 地球温暖化と農業
  • 農業機械の安全
  • バイオマスエネルギー
  • 土地改良区
  • 種子の休眠
  • 春化
  • 電照栽培
  • 肥料の要素
  • 土壌診断
  • 輪作年限
  • 農薬の効果
  • 農業経営のセーフティネット
  • 食料需給
  • 農業の担い手
  • 貿易と農業
  • 農業委員会
  • 有機JAS認証
  • 特別栽培農産物

共通(農業基礎)で学ぶこと

土壌・肥料の基礎(団粒構造、pH、三相分布、CEC)、光合成・呼吸・蒸散などの植物生理、肥料計算や農薬の希釈倍率といった計算問題、病害虫防除の4分類、連作障害と輪作、種子の性質(休眠・春化・日長反応)、家畜や食の安全の基礎知識、GAP・6次産業化・食料自給率といった農業と社会の関わりまで、農業全般の土台になる知識を幅広く扱います。

試験での重要度

50問中30問を占める必須分野で、選択科目(20問)よりも配点が大きい「合格の主戦場」です。共通を固めずに選択科目だけ勉強しても合格ラインには届きにくいため、最優先で取り組む分野になります。

初心者がつまずきやすいポイント

  • 肥料の成分計算(「10-8-8」のような表示から窒素量を逆算する問題)は、公式を丸暗記しようとして本番で手順を忘れがちです。
  • 光合成・呼吸・蒸散は似た言い回しが並ぶため、「何が出入りするか」「いつ行われるか」で区別しないと本番で混同します。
  • 短日植物・長日植物・中性植物や、休眠・春化といった植物の性質は、名前と現象が一致しにくく取り違えやすい分野です。
  • 病害虫防除の耕種的・物理的・生物的・化学的の4分類は、具体例(防虫ネット、天敵、輪作など)がどれに当てはまるかを問われる形式に慣れていないと失点しやすいです。

学習の順番のおすすめ

  1. 作物の分類・種子の性質など、暗記すれば得点できる基礎用語から固める
  2. 土壌・肥料(計算問題を含む)で、理屈を理解しながら得点源にする
  3. 光合成・呼吸・蒸散などの植物生理を、対比しながら整理する
  4. 病害虫防除・連作障害など、栽培管理の考え方を押さえる
  5. 食の安全・農業と社会(GAP、6次産業化など)の制度知識で仕上げる

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公式資料・参考資料

出題範囲や最新の試験情報は 全国農業会議所の公式サイト、 体系的な学習には公式テキスト・過去問題集をあわせてご利用ください。

収録問題を読む(全100問)

タップすると正解と解説が読めます。まずはここでざっと目を通して、仕上げに上のクイズで実力チェックしましょう。

各問題には、正解の理由と他の選択肢が誤りとなる理由を掲載しています。問題を解いた後に解説を開いて確認してください。

問1 作物の分類 次のうち、アブラナ科に分類される野菜として最も適切なものを選びなさい。
  • トマト
  • ✅ ブロッコリー
  • ジャガイモ
  • カボチャ

解説:ブロッコリーはキャベツやダイコン、ハクサイ、カブなどと同じアブラナ科です。トマトとジャガイモはナス科、カボチャはウリ科に属します。同じ科の作物は病害虫や連作障害の傾向が似るため、科ごとの分類を覚えておくと栽培計画(輪作の組み立て)にも役立ちます。

覚え方:ブロッコリー=アブラナ科の花のつぼみ。同じ仲間はキャベツ・ダイコン・ハクサイ・カブ。

問2 作物の分類 利用する部位による分類で「果菜類」にあたる野菜として、最も適切なものを選びなさい。
  • ホウレンソウ
  • ニンジン
  • ✅ ナス
  • ハクサイ

解説:果菜類は実(果実)を食べる野菜で、ナス・トマト・キュウリ・ピーマン・イチゴなどが該当します。ホウレンソウとハクサイは葉を食べる葉菜類、ニンジンは根を食べる根菜類です。利用部位による分類は栽培管理や収穫適期の判断の基礎になります。

覚え方:「実を食べる」=果菜類(ナス・トマト・キュウリ)。葉を食べれば葉菜類、根を食べれば根菜類。

問3 種子・発芽 野菜の種子を長期間、発芽能力を保ったまま保管する方法として、最も適切なものを選びなさい。
  • 高温・多湿の場所で密閉して保管する
  • ✅ 低温・乾燥した場所で保管する
  • 直射日光の当たる暖かい場所で保管する
  • 水にひたして冷蔵庫で保管する

解説:種子は生きた組織で呼吸しています。温度と湿度が高いほど呼吸が活発になって養分を消耗し、寿命が短くなります。そのため『低温・低湿・密閉』が保管の基本で、乾燥剤とともに冷暗所や冷蔵庫で保管すると発芽能力を長く保てます。

覚え方:種子保存は「低温・低湿・密閉」の3点セット。逆(高温多湿)は最悪の組み合わせ。

問4 光合成・呼吸 植物の光合成のはたらきの説明として、最も適切なものを選びなさい。
  • 酸素を取り入れ、養分を分解してエネルギーを取り出す
  • ✅ 光のエネルギーを使い、水と二酸化炭素から炭水化物をつくり、酸素を放出する
  • 気孔から水分を放出して体温の上昇をおさえる
  • 根から吸収した窒素をタンパク質に変える

解説:光合成は、葉緑体が光エネルギーを使って、根から吸った水と気孔から取り込んだ二酸化炭素をもとに炭水化物(デンプンなど)を合成し、そのときに酸素を放出するはたらきです。選択肢1は呼吸、選択肢3は蒸散の説明です。作物の生育量は基本的に光合成でつくられる養分の量に左右されます。

覚え方:光合成=「水+CO2→炭水化物+酸素」。呼吸(酸素を使う)と逆方向と覚える。

問5 光合成・呼吸 植物の蒸散のはたらきとして、最も適切なものを選びなさい。
  • 空気中の二酸化炭素を取り込む
  • ✅ 葉の気孔から水分を放出し、養水分の吸い上げをうながす
  • 空気中の窒素を固定して養分にする
  • 光のエネルギーで炭水化物を合成する

解説:蒸散は主に葉の裏の気孔から水蒸気を放出する現象です。放出によって根からの水と養分の吸い上げがうながされ、あわせて気化熱で葉の温度上昇をやわらげます。気温が高く乾燥した日ほど蒸散はさかんになり、水切れに注意が必要です。

覚え方:蒸散=葉から水を「散らす」。気孔から水蒸気が出るので、吸い上げと冷却の両方に効く。

問6 肥料・必須元素 植物の必須元素のうち、比較的多く必要とされる「多量元素」の組み合わせとして、最も適切なものを選びなさい。
  • ✅ 窒素・リン・カリウム
  • 鉄・マンガン・亜鉛
  • ホウ素・銅・モリブデン
  • 塩素・亜鉛・マンガン

解説:多量元素は必要量が多い元素で、窒素・リン・カリウム(肥料の三要素)に加え、カルシウム・マグネシウム・硫黄などが含まれます。鉄・マンガン・亜鉛・ホウ素・銅・モリブデン・塩素は、ごく少量でよい微量元素です。多量元素は不足しやすく、施肥設計の中心になります。

覚え方:多量元素は「肥料の三要素(N・P・K)+Ca・Mg・S」。鉄やホウ素などは少量でよい微量要素。

問7 肥料・必須元素 肥料の三要素として、最も適切な組み合わせを選びなさい。
  • ✅ 窒素・リン酸・カリ
  • 炭素・水素・酸素
  • カルシウム・鉄・硫黄
  • 窒素・カルシウム・ホウ素

解説:肥料の三要素は窒素(N)・リン酸(P)・カリ(K)です。窒素は葉や茎の生育、リン酸は根や花・実つき、カリは根の発達や病気への抵抗力に関わります。炭素・水素・酸素は水と空気から得られるため、通常は肥料として施す必要がありません。

覚え方:肥料の三要素は「葉肥(N)・実肥(P)・根肥(K)」と役割でセット暗記。

問8 肥料計算 「10-8-8」と表示された肥料を使い、窒素を成分量で6kg施用したい。用意すべき肥料の量として、最も適切なものを選びなさい。
  • 48kg
  • ✅ 60kg
  • 72kg
  • 80kg

解説:「10-8-8」は窒素・リン酸・カリの成分割合(%)を表し、窒素は10%です。必要な肥料量は『施用したい成分量 ÷ 成分割合』で求めます。6kg ÷ 0.10 = 60kg。成分表示から逆算する計算は3級で頻出なので、割合と量の関係を押さえましょう。

覚え方:「成分量÷割合=必要量」。6kg÷0.10=60kg。

問9 肥料計算 窒素成分が15%の肥料が20kgある。この肥料に含まれる窒素の量として、最も適切なものを選びなさい。
  • 1.5kg
  • ✅ 3.0kg
  • 4.5kg
  • 6.0kg

解説:成分量は『肥料の重さ × 成分割合』で求めます。20kg × 0.15 = 3.0kg。成分%から実際の量を計算できるようにしておくと、施肥量の設計や過剰施肥の防止に役立ちます。

覚え方:「重さ×割合=成分量」。20kg×0.15=3.0kg。08との計算の向きの違いに注意。

問10 有機質肥料 化学肥料と比べたときの有機質肥料の一般的な特徴として、最も適切なものを選びなさい。
  • 施用後すぐに効き、効果は短時間で切れる
  • ✅ 微生物に分解されてから効くため、ゆっくり長く効く
  • 成分量が正確にそろっていて調整しやすい
  • 土の中の微生物を減らすはたらきがある

解説:有機質肥料(堆肥・油かす・魚かすなど)は、土の中の微生物に分解されてから作物が吸収できる形になります。そのため効き始めはゆるやかで、効果は長く続きます(緩効性)。土壌の団粒構造づくりや微生物の増加など、土づくりの効果もあります。成分量が正確で速効性が高いのは化学肥料の特徴です。

覚え方:有機質肥料=「微生物を通すからゆっくり」、化学肥料=「そのまま溶けるから速い」。

問11 土壌 土壌の団粒構造をつくる(発達させる)方法として、最も適切なものを選びなさい。
  • 化学肥料だけを毎作たくさん施す
  • ✅ 堆肥などの有機物を混ぜて腐植を増やす
  • 土を細かく砕いて踏み固める
  • 雨が当たらないように常に乾燥させる

解説:団粒構造は、小さな土の粒がすき間をもって集まった状態で、保水性・排水性・通気性のバランスがよく、根が伸びやすい良い土です。堆肥などの有機物を入れて腐植を増やし、微生物のはたらきを高めることで発達します。踏み固めや過度な耕うんは団粒をこわし、単粒構造にしてしまいます。

覚え方:団粒構造は堆肥(有機物)で作る。踏み固め・過耕うんは逆に壊す方向と覚える。

問12 土壌 土壌が酸性・中性・アルカリ性のどれであるかを表す指標として、最も適切なものを選びなさい。
  • ✅ pH(水素イオン濃度)
  • EC(電気伝導度)
  • CEC(陽イオン交換容量)
  • C/N比

解説:土の酸性・アルカリ性はpH(ピーエイチ)で表し、7が中性、7より小さいと酸性、大きいとアルカリ性です。ECは塩類(肥料分)の濃度、CECは土が養分を保持できる能力、C/N比は有機物中の炭素と窒素の比を表す別の指標です。多くの作物はpH6前後の弱酸性〜中性を好みます。

覚え方:pH=酸性・アルカリ性の物差し。EC=塩類濃度、CEC=養分を保持する力、と役割で区別。

問13 窒素固定 マメ科植物の根に共生する根粒菌のはたらきとして、最も適切なものを選びなさい。
  • ✅ 空気中の窒素を固定して、植物に養分として供給する
  • 空気中の二酸化炭素を固定して炭水化物をつくる
  • 土の中の水分を根に運ぶ
  • 害虫を寄せつけない物質を出す

解説:根粒菌はマメ科植物の根にこぶ(根粒)をつくって共生し、空気中の窒素を作物が使える形に変えて供給します(窒素固定)。このためマメ科作物は窒素肥料が少なくても育ちやすく、輪作に組み込むと土の窒素分を補う効果があります。二酸化炭素の固定は光合成のはたらきです。

覚え方:根粒菌=マメ科の根にできる「窒素工場」。CO2を固定するのは光合成、と混同しない。

問14 作物の性質 受粉しなくても果実が肥大する「単為結果」の性質が強い野菜として、最も適切なものを選びなさい。
  • ✅ キュウリ
  • スイカ
  • スイートコーン
  • イチゴ

解説:単為結果は、受粉・受精がなくても果実が大きくなる性質です。キュウリはこの性質が強く、種のない実がなります。スイカやイチゴ、トウモロコシは受粉が実つきに大きく影響します。ハウス栽培では、単為結果性の品種を使うと訪花昆虫や人工受粉の手間を減らせます。

覚え方:キュウリ=種なしでも実がなる「単為結果」の代表。スイカ・イチゴは受粉必須の逆パターン。

問15 日長反応 夜の長さが一定以上になると花芽をつくる「短日植物」として、最も適切なものを選びなさい。
  • ✅ キク
  • ホウレンソウ
  • コムギ
  • ダイコン

解説:短日植物は、日が短く(夜が長く)なると花芽をつける植物で、キク・コスモス・イネ・ダイズなどが代表です。ホウレンソウやコムギは日が長くなると花芽をつける長日植物です。キクは、夜間に照明を当てて開花を遅らせる『電照栽培』で出荷時期を調整します。

覚え方:短日植物=「夜長」で開花(キク)。長日植物はその逆(ホウレンソウ)。名前の「日」に惑わされない。

問16 栽培管理 トマトのわき芽を早めに取り除く管理作業の名称として、最も適切なものを選びなさい。
  • ✅ 摘芽(芽かき)
  • 摘心
  • 誘引
  • 土寄せ

解説:摘芽(芽かき)は、葉のつけ根から出るわき芽を小さいうちに取り除く作業で、養分を主枝や実に集中させます。摘心は生長点(先端)を止める作業、誘引は茎を支柱やひもに固定する作業、土寄せは株元に土を寄せる作業です。トマトは放任するとわき芽が茂りすぎるため、こまめな摘芽が大切です。

覚え方:摘芽(芽かき)=わき芽を取る。摘心=先端を止める。誘引=支柱に固定。土寄せ=土を株元に。対象が全部違う。

問17 受粉・訪花昆虫 ハウスのトマト栽培で、受粉を助けるために放し飼いにされる訪花昆虫として、最も適切なものを選びなさい。
  • ✅ マルハナバチ
  • モンシロチョウ
  • ニジュウヤホシテントウ
  • アブラムシ

解説:マルハナバチはトマトなどの受粉に利用される益虫で、ハウス内に巣箱を置いて放すと自然に花を回って受粉してくれます。これによりホルモン処理(着果促進剤)の手間が省けます。モンシロチョウやニジュウヤホシテントウは作物を食害する害虫、アブラムシは吸汁性の害虫です。

覚え方:マルハナバチ=ハウスの受粉係(益虫)。モンシロチョウ・テントウムシもどきの名前の害虫と混同しない。

問18 ほ場作業 生育途中の作物の株間や畝間を浅く耕して、土を柔らかくし雑草を除く作業の名称として、最も適切なものを選びなさい。
  • ✅ 中耕
  • 定植
  • 覆土
  • 播種

解説:中耕は、作物の生育中に畝間などの表面を浅く耕す作業で、土をやわらかくして通気性・排水性を高め、雑草を除く効果があります。定植は苗を畑に植え付けること、覆土はまいた種の上に土をかけること、播種は種をまくことです。中耕は多くの場合、株元へ土を寄せる土寄せと合わせて行います。

覚え方:中耕=生育中に「浅く」耕して雑草除去。定植・覆土・播種は種まき前後の別作業。

問19 作付け方式 同じ耕地で1年間に2種類の異なる作物を作る方式として、最も適切なものを選びなさい。
  • ✅ 二毛作
  • 二期作
  • 連作
  • 混作

解説:二毛作は、同じ耕地で1年に異なる2種類の作物を時期をずらして栽培する方式です(例:夏にイネ、冬にムギ)。同じ作物を1年に2回作るのは二期作、同じ作物を毎年続けるのは連作です。連作は病害虫や生育障害(連作障害)が出やすく、輪作や作付けの工夫で防ぎます。

覚え方:二毛作=1年で「異なる2種」、二期作=1年で「同じ作物2回」、連作=毎年「同じ作物」。回数と種類で区別。

問20 連作障害 「連作障害は、同じ科の作物を同じ畑で作り続けることで、病害虫の増加や生育不良が起こる現象である」。この説明は正しいか。
  • ✅ 正しい
  • 誤り

解説:連作障害は、同じ科の作物を同じ場所で続けて栽培することで、特定の病原菌や害虫が増えたり、土壌の養分バランスがくずれたりして生育が悪くなる現象です。対策として、異なる科の作物を順に作る輪作、土壌消毒、接ぎ木苗の利用、堆肥による土づくりなどが行われます。

覚え方:連作障害=同じ科を続けるとNG。対策は輪作・土壌消毒・接ぎ木・堆肥の4点セット。

問21 気象災害 凍霜害(晩霜による被害)が起こりやすい気象条件として、最も適切なものを選びなさい。
  • ✅ 夜間から早朝にかけて放射冷却が強まり、気温が0℃前後に下がるとき
  • 夏の日照不足で気温が上がらないとき
  • 台風による強風がふくとき
  • 梅雨の長雨が続くとき

解説:凍霜害は、よく晴れて風のない夜に地表の熱が逃げる放射冷却が強まり、明け方に気温が0℃前後まで下がって作物の若い芽や花が凍害を受けるものです。防霜ファンや散水氷結法、被覆などで防ぎます。夏の低温・日照不足による被害は冷害、強風による被害は風害です。

覚え方:凍霜害=「よく晴れた無風の夜」に起きる。台風(風害)や長雨(別の被害)とは真逆の気象条件。

問22 食の安全 ジャガイモの芽や緑色になった皮の部分に含まれる、食中毒の原因となる有害物質として、最も適切なものを選びなさい。
  • ✅ ソラニン
  • カロテン
  • セルロース
  • アミロース

解説:ジャガイモの芽や光に当たって緑化した皮には、ソラニンやチャコニンという有害物質が含まれ、多く食べると吐き気や腹痛などの食中毒を起こします。芽と緑色部を厚めに取り除き、日光に当てない冷暗所で保存することが予防になります。カロテンは色素、セルロースは食物繊維です。

覚え方:ジャガイモの芽・緑皮=ソラニン。「芽が出たら厚く剥いて捨てる」で覚える。

問23 病害虫 アブラムシの一般的な加害の特徴として、最も適切なものを選びなさい。
  • ✅ 葉や茎から汁を吸い、ウイルス病を媒介することもある
  • 根を食べて作物を倒す
  • 葉を大きく食い荒らして穴をあける
  • 果実の内部に産卵して食害する

解説:アブラムシは口針を刺して植物の汁を吸う吸汁性の害虫で、生育を弱らせるほか、ウイルス病を運んで広げることが大きな問題です。排せつ物にすす病が発生することもあります。天敵のテントウムシの利用や、光を反射するシルバーマルチなどで防ぎます。葉を食い荒らすのはチョウ・ガの幼虫などです。

覚え方:アブラムシ=汁を吸う+ウイルスを運ぶ。葉を食い荒らすのはチョウ・ガの幼虫と対象が違う。

問24 病害虫防除 害虫の天敵であるテントウムシ(ナミテントウなど)を利用して害虫を減らす防除法の分類として、最も適切なものを選びなさい。
  • ✅ 生物的防除
  • 化学的防除
  • 物理的防除
  • 耕種的防除

解説:生物的防除は、天敵や微生物など生き物のはたらきを利用して害虫を抑える方法で、テントウムシによるアブラムシの捕食が代表例です。農薬を使うのは化学的防除、防虫ネットや粘着トラップは物理的防除、輪作や抵抗性品種の利用は耕種的防除です。これらを組み合わせる考え方が総合的病害虫管理(IPM)です。

覚え方:生物的=生き物(天敵)、化学的=農薬、物理的=ネットや光、耕種的=輪作。頭文字でなく「手段」で区別。

問25 病害虫防除 防虫ネットで害虫の侵入を防ぐ方法の、防除法としての分類として、最も適切なものを選びなさい。
  • ✅ 物理的防除
  • 化学的防除
  • 生物的防除
  • 耕種的防除

解説:防虫ネットや寒冷紗で害虫の侵入を物理的にさえぎる方法は、物理的防除に分類されます。光を反射して害虫を寄せつけないマルチや、粘着トラップなども物理的防除の仲間です。農薬散布は化学的防除、天敵利用は生物的防除、輪作や抵抗性品種は耕種的防除です。

覚え方:防虫ネット=「モノで」防ぐから物理的防除。天敵は生物的、農薬は化学的と対比で覚える。

問26 畜産の基礎 卵をとる目的で飼われる採卵用のニワトリの品種として、最も適切なものを選びなさい。
  • ✅ 白色レグホーン種
  • ランドレース種
  • 黒毛和種
  • ホルスタイン種

解説:白色レグホーン種は、白い卵を多く産む代表的な採卵用(卵用)品種です。ランドレース種はブタ、黒毛和種は肉用のウシ、ホルスタイン種は乳用のウシで、いずれもニワトリではありません。ニワトリには卵用・肉用(ブロイラー)・卵肉兼用などの用途区分があります。

覚え方:白色レグホーン=卵用の代表格。ランドレース(豚)・黒毛和種(牛)・ホルスタイン(乳牛)は全部ニワトリではない。

問27 畜産の基礎 乳牛(ホルスタイン種)の妊娠期間と1回の出産で生まれる子牛の数の組み合わせとして、最も適切なものを選びなさい。
  • ✅ 約280日間・通常1頭
  • 約150日間・通常1頭
  • 約280日間・通常3頭
  • 約60日間・通常5頭

解説:ウシの妊娠期間はおよそ280日(約9か月半)で、通常は1回に1頭の子牛を産みます。乳牛は出産をきっかけに乳を出すため、計画的な繁殖管理が生産のかなめになります。妊娠期間が約114日で多くの子を産むブタなどとは大きく異なります。

覚え方:ウシの妊娠期間は「約280日(ほぼ10か月)・1頭」。ブタの114日・多頭とセットで対比暗記。

問28 食と農 日本の食料自給率を示す指標のうち、供給熱量(カロリー)をもとに計算するものの名称として、最も適切なものを選びなさい。
  • ✅ カロリーベース食料自給率
  • 生産額ベース食料自給率
  • 食料自給力
  • エンゲル係数

解説:国民に供給される熱量のうち、国内生産でまかなえている割合を示すのがカロリーベース食料自給率です。近年の日本は40%を下回る水準で推移しており、飼料や原料を輸入に頼っている点が背景にあります。金額で見るのが生産額ベース、家計の食費割合を示すのがエンゲル係数です。日本のカロリーベース食料自給率はおおむね37〜38%前後で推移しています(令和6年度は37%)(農林水産省公表)。

覚え方:カロリーベース自給率=「熱量」で計算、日本は4割弱。生産額ベースは「金額」で計算、と単位で区別。

参考:農林水産省「食料自給率」統計

問29 食と農 農林漁業者が生産(1次)だけでなく、加工(2次)や販売(3次)まで一体的に手がけて所得を高める取り組みの名称として、最も適切なものを選びなさい。
  • ✅ 6次産業化
  • 地産地消
  • スローフード運動
  • フードマイレージ

解説:6次産業化は、生産(1次)×加工(2次)×流通・販売(3次)を組み合わせ(1×2×3=6、あるいは1+2+3)、農林漁業者が付加価値を取り込んで所得を上げる考え方です。地産地消は地元産を地元で消費すること、スローフードは食文化を大切にする運動、フードマイレージは食料の輸送距離に着目した指標です。

覚え方:6次産業化=1次(生産)×2次(加工)×3次(販売)=6。掛け算で覚える。

問30 農業と環境・社会 2015年に国連で採択された、2030年までに達成をめざす「持続可能な開発目標」の略称として、最も適切なものを選びなさい。
  • ✅ SDGs
  • GDP
  • WTO
  • GAP

解説:SDGs(持続可能な開発目標)は、2015年の国連サミットで採択された、2030年に向けた17の国際目標です。飢餓の解消や気候変動対策など、経済・社会・環境のバランスがとれた社会をめざします。農業分野でも環境保全型農業やフードロス削減などが関わります。GAPは農業生産工程管理の仕組みで別の用語です。

覚え方:SDGs=2015年国連採択・2030年目標・17ゴール。GDPは経済指標、WTOは貿易機関、GAPは生産工程管理で全く別物。

問31 種まきの準備 イネの種もみを、まく前に消毒・水につける・温めて芽を出しやすくするなど、一連の下ごしらえをする作業をまとめて何というか、最も適切なものを選びなさい。
  • ✅ 予措
  • 中耕
  • 登熟
  • 春化

解説:予措(よそ)は、種まきの前に種もみを消毒し、水に浸して吸水させ(浸種)、温めて発芽をそろえる(催芽)など、一連の下ごしらえ作業をまとめた言葉です。これにより発芽がそろい、病気の持ち込みも防げます。登熟は実が熟す過程、春化(バーナリゼーション)は低温にあわせることで花芽形成が進む現象で、それぞれ別の用語です。

覚え方:予措=種まき前の「下ごしらえ」全部(消毒→浸種→催芽)。登熟(実る過程)・春化(低温で花芽)とは時期が違う。

問32 種子の性質 レタスなど、暗い場所より光が当たった方が発芽しやすい性質をもつ種子を何というか、最も適切なものを選びなさい。
  • ✅ 好光性種子(明発芽種子)
  • 嫌光性種子(暗発芽種子)
  • 休眠種子
  • 無胚乳種子

解説:好光性種子(明発芽種子)は、光を感じることで発芽のスイッチが入る種子で、レタスやシソなどが代表例です。反対に、光を嫌い暗い方が発芽しやすい種子を嫌光性種子(暗発芽種子)といい、ダイコンやトマトなどが当てはまります。種まきの深さは、この性質に合わせて調整する必要があります。

覚え方:好光性=レタスなど「光が好き」で浅まき。嫌光性=ダイコンなど「光が嫌い」で深まき。まく深さと対で覚える。

問33 土壌改良資材 酸性にかたよった土壌を中和し、pHを矯正するためによく使われる資材として、最も適切なものを選びなさい。
  • ✅ 苦土石灰
  • 油かす
  • ピートモス
  • 食塩

解説:苦土石灰(くどせっかい)は、カルシウムとマグネシウムを含む資材で、酸性にかたむいた土壌を中和し、多くの作物が好む弱酸性〜中性に近づけるために使われます。ピートモスは逆に土を酸性側に寄せる資材で、油かすは有機質肥料の一種です。日本の土壌は雨が多く酸性化しやすいため、定期的な土壌診断と石灰資材の施用が大切です。

覚え方:苦土石灰=酸性土を中和(アルカリ性寄りにする)資材。ピートモスは逆に酸性化させる資材と対比。

問34 品種の性質 性質の異なる2つの親をかけ合わせてつくる一代雑種(F1)品種の一般的な特性として、最も適切なものを選びなさい。
  • ✅ 両方の親より生育や収量にすぐれる(雑種強勢)が、その種を採って翌年まいても同じ性質は安定しない
  • 両親とまったく同じ性質が何世代も安定して伝わる
  • 両親より生育が劣り、収量や品質も低下する
  • 種子をつくることができない品種である

解説:一代雑種(F1)品種は、性質の異なる2つの親品種をかけ合わせてつくられ、生育や収量、そろいの良さなどで両親を上回る「雑種強勢」という現象が見られます。ただし、F1から採った種子(F2世代)は性質がばらつくため、毎年新しい種子を購入してまくのが基本です。多くの野菜の市販品種がこの方式でつくられています。

覚え方:F1=一代限りの「打ち上げ花火」。強いのは1代目だけ、種を採って蒔いても同じ性質は続かない。

問35 農薬の使い方 1,000倍に薄めた農薬の希釈液を20リットルつくりたい。必要な農薬の原液(原体)の量として、最も適切なものを選びなさい。
  • ✅ 20g
  • 2g
  • 200g
  • 0.2g

解説:希釈倍率の計算は『つくりたい量 ÷ 希釈倍率』で求めます。20L=20,000mLなので、20,000 ÷ 1,000 = 20(g、または mL)です。農薬は薄すぎると効果が出ず、濃すぎると薬害や環境への影響が出るため、ラベルの希釈倍率を守って正確に計算することが重要です。

覚え方:希釈計算は「作りたい量÷倍率」。20,000mL÷1,000=20g。08の逆算パターンと同じ考え方。

問36 マルチング ポリエチレンフィルムを使ったマルチング(畝をおおう資材)のうち、地温を上げる効果が最も高いものとして、最も適切なものを選びなさい。
  • ✅ 透明フィルム
  • 白色フィルム
  • 銀色(シルバー)フィルム
  • 黒色フィルム

解説:透明フィルムは太陽光をよく通して地面まで届けるため、地温を上げる効果が最も高く、生育初期の保温に向きます。黒色フィルムは光を通さず主に雑草抑制、白色フィルムは光を反射して地温上昇をおさえる目的、銀色フィルムは光を反射してアブラムシなどの害虫を寄せつけにくくする目的で使われ、色によって役割が異なります。

覚え方:透明=地温を上げる。黒=雑草抑制。白=地温を上げすぎない。銀=虫よけ。色ごとに役割が違う。

問37 家畜の分類 肉・乳・卵など畜産物の生産を目的として飼う家畜を何と呼ぶか、最も適切なものを選びなさい。
  • ✅ 用畜
  • 役畜
  • 愛玩動物
  • 野生動物

解説:用畜は、肉・乳・卵・毛皮など畜産物の生産を目的として飼育される家畜(ブタ・乳牛・採卵鶏など)を指します。これに対し、農作業や運搬などの労働力として利用される家畜を役畜(ウマ・ウシの一部など)と呼びます。家畜は人が長い年月をかけて野生動物を飼いならし、目的に応じて改良してきた動物です。

覚え方:用畜=畜産物をとる家畜(肉・乳・卵)。役畜=労働力として使う家畜(ウマなど)。目的で区別。

問38 食の安全制度 残留基準が定められていない農薬などが、一定量以上含まれる食品の流通を原則として禁止する制度として、最も適切なものを選びなさい。
  • ✅ ポジティブリスト制度
  • トレーサビリティ
  • HACCP
  • GAP

解説:ポジティブリスト制度は、農薬などについて残留基準を定め、基準が設定されていない物質が一定量以上残留する食品の流通を原則禁止する仕組みです。これにより、基準のない農薬が野放しに使われることを防ぎます。トレーサビリティは生産・流通の履歴管理、HACCPは工程ごとの衛生管理手法、GAPは農業生産工程管理の仕組みで、それぞれ目的が異なります。

覚え方:ポジティブリスト=「基準がない農薬は原則NG」というリスト方式。トレーサビリティは履歴管理で別物。

問39 食の安全制度 生産・加工・流通の各段階で記録を作成・保存し、食品がどこから来てどこへ運ばれたかをたどれるようにする仕組みとして、最も適切なものを選びなさい。
  • ✅ トレーサビリティ
  • ポジティブリスト制度
  • フードマイレージ
  • 地産地消

解説:トレーサビリティは、食品の生産・加工・流通の記録を残し、問題が起きたときに原因をさかのぼって特定できるようにする仕組みです。牛肉やコメなどで法律に基づく制度も整備されています。ポジティブリスト制度は残留農薬の規制、フードマイレージは輸送距離に着目した指標で、混同しないよう整理しておきましょう。

覚え方:トレーサビリティ=「たどれる」履歴管理。ポジティブリストは残留農薬の規制で目的が違う。

問40 食と農 農林水産業(川上)から製造業・卸売業(川中)、小売業・外食産業(川下)を経て消費者に届くまでの一連のつながりを総合的にとらえる考え方として、最も適切なものを選びなさい。
  • ✅ フードシステム
  • 6次産業化
  • 地産地消
  • スローフード運動

解説:フードシステムは、農林水産物の生産(川上)から加工・流通(川中)、販売・消費(川下)までの一連の流れを、ひとつながりのシステムとしてとらえる考え方です。6次産業化は生産者自身が加工・販売まで手がける取り組みで、フードシステム全体の中の一つの動きとして位置づけられます。

覚え方:フードシステム=川上(生産)→川中(加工)→川下(販売)の全体の流れ。6次産業化はその中の一つの動き。

問41 土壌pH(範囲) 図はpH(水素イオン濃度)の目盛りを表したものである。点線でかこんだ範囲のように、多くの野菜が生育に適しているとされるpHの範囲として、最も適切なものを選びなさい。
0から14までのpHスケール。中央のやや酸性寄りの範囲が点線でかこまれている。
  • ✅ pH6.0〜6.5程度(弱酸性)
  • pH1〜2程度(強酸性)
  • pH9〜10程度(弱アルカリ性)
  • pH13〜14程度(強アルカリ性)

解説:多くの野菜は、pH6.0〜6.5程度の弱酸性から中性に近い土壌でよく育ちます。この範囲では、作物が必要とする養分が水に溶けやすい状態になり、根から吸収しやすくなるためです。強い酸性やアルカリ性にかたむくと、特定の養分が吸収されにくくなったり、有害な成分が溶け出しやすくなったりして、生育に悪影響が出ます。強酸性・強アルカリ性の土壌では、特定の養分が溶け出しすぎたり吸収されにくくなったりして生育に適さないため、いずれも誤りです。

覚え方:野菜の適正pHは「6.0〜6.5(弱酸性)」。強酸性・強アルカリ性はどちらも養分吸収の妨げになる極端な値。

問42 作物の写真 写真の作物(莢の中に実ができる)として、最も適切なものを選びなさい。
毛におおわれた緑色の莢が数本、茎についている写真
Photo by H. Zell (CC BY-SA 3.0), Wikimedia Commons
  • ✅ ダイズ
  • アズキ
  • ラッカセイ
  • エンドウ

解説:写真は、毛でおおわれた緑色の莢が特徴的なダイズの若い莢です。ダイズはマメ科の作物で、根に共生する根粒菌が空気中の窒素を固定するため、やせた土地でも育てやすい特徴があります。未成熟なうちに収穫すれば枝豆として、完熟させて乾燥させれば豆腐やみそなどの原料になるダイズとして利用されます。

覚え方:毛むくじゃらの莢=ダイズ(枝豆)。アズキ・ラッカセイ・エンドウは莢の見た目がそれぞれ違う。

問43 土壌の性質 土の中の「固相(土の粒)」「液相(水分)」「気相(空気)」の3つのバランスについての説明として、最も適切なものを選びなさい。
  • ✅ 3つがバランスよく保たれた土は、根が呼吸しやすく水分・養分も吸収しやすい
  • 固相の割合が高いほど、根にとって理想的な土になる
  • 液相(水分)はできるだけ多いほうが、根の生育には常によい
  • 気相(空気)は根の生育に関係がなく、少なくても問題ない

解説:土は、土の粒でできた固相、水分の液相、空気の気相の3つ(三相)からできています。根は呼吸のために酸素(気相)を必要とし、同時に水分・養分(液相)も吸収するため、この3つがバランスよく保たれた土が、作物の生育に理想的とされます。固相ばかりが多い硬い土は、根が伸びにくく水はけも悪くなります。

覚え方:三相=固相(土)・液相(水)・気相(空気)。根はこの3つのバランスが命。どれか一つ極端はNG。

問44 たい肥化 落ち葉や稲わらなど、炭素を多く含む材料でたい肥をつくるとき、発酵を早めるために加えるとよいものとして、最も適切なものを選びなさい。
  • ✅ 米ぬかや家畜ふんなど、窒素分を多く含む材料
  • さらに炭素を多く含む乾いた落ち葉
  • 殺菌済みの水だけ
  • できるだけ細かくしていない大きな枝や幹

解説:たい肥づくりでは、炭素(C)と窒素(N)の割合(C/N比)が発酵の進みやすさを左右します。落ち葉や稲わらは炭素が多く窒素が少ないため、そのままでは微生物の活動がゆっくりです。米ぬかや家畜ふんなど窒素分の多い材料を加えてC/N比を適切な範囲に近づけることで、微生物の分解が活発になり、発酵が早く進みます。

覚え方:たい肥は「炭素(落ち葉)+窒素(米ぬか・ふん)」の組み合わせでC/N比を整えると発酵が早まる。

問45 農作業の安全 夏の農作業中に注意すべき熱中症の予防対策として、最も適切なものを選びなさい。
  • ✅ のどが渇く前から、こまめに水分と塩分を補給する
  • 汗をかきにくくするため、通気性の悪い服装で作業する
  • のどが渇いたと感じたときだけ、まとめて水を飲む
  • 気温が高い日ほど、休憩を減らして作業時間を確保する

解説:熱中症は、暑さで体内の水分・塩分のバランスがくずれることで起こります。のどの渇きを感じたときにはすでに水分不足が始まっているため、渇きを感じる前からこまめに水分と塩分を補給することが大切です。通気性のよい服装、日陰でのこまめな休憩、気温が高い時間帯の作業を避けることなども、農作業中の熱中症予防の基本です。

覚え方:熱中症予防は「渇く前に飲む」が鉄則。喉が渇いてからでは手遅れ。

問46 GAP 農業生産の各工程を点検・記録し、食品安全や環境保全、労働安全などの観点から生産管理を継続的に改善していく取り組みとして、最も適切なものを選びなさい。
  • ✅ GAP(農業生産工程管理)
  • ポジティブリスト制度
  • HACCP
  • トレーサビリティ

解説:GAP(Good Agricultural Practice、農業生産工程管理)は、農薬の使用記録や衛生管理、労働安全など、生産の各工程を点検・記録し、継続的に改善していく取り組みです。食品の安全確保だけでなく、環境保全や働く人の安全にも配慮する点が特徴です。HACCPは食品加工工程の衛生管理手法で、対象が生産段階か加工段階かという違いがあります。

覚え方:GAP=生産工程(Good Agricultural Practice)、HACCPは加工工程。「G」は畑、「H」は工場、とGとHで場所分け。

問47 有機農業 化学的に合成された肥料や農薬に頼らず、たい肥などで土づくりをしながら農業生産を行う方式として、最も適切なものを選びなさい。
  • ✅ 有機農業
  • 施設園芸
  • 水耕栽培
  • 促成栽培

解説:有機農業は、化学的に合成された肥料や農薬をできるだけ使わず、たい肥や緑肥などで土の力を活かしながら農産物を生産する方式です。土壌の生物多様性を保ちながら持続的に生産する考え方に基づいています。施設園芸はビニールハウスなどの施設を使う栽培形態、水耕栽培は土を使わない栽培方法で、それぞれ有機農業とは異なる分類の言葉です。

覚え方:有機農業=化学肥料・農薬を使わない農法そのもの。施設園芸(ハウス)・水耕栽培は栽培の「形態」で別軸の話。

問48 気象災害 夏に気温が異常に高くなることで、作物の生育や品質に悪影響が出る気象災害として、最も適切なものを選びなさい。
  • ✅ 高温障害
  • 凍霜害
  • 冷害
  • 干害

解説:高温障害は、夏の異常な高温によって、作物の実つきが悪くなったり、着色不良や品質低下が起こったりする被害です。イネの白未熟粒や、果菜類の着果不良などが代表例です。凍霜害や冷害は低温による被害、干害は水不足による被害で、いずれも高温障害とは原因が逆になる点を整理しておきましょう。

覚え方:高温障害=夏の暑すぎ。凍霜害・冷害は低温、干害は水不足が原因で、原因の向きが逆。

問49 土壌改良資材 アルカリ性にかたむいた土壌を中和し、酸性側に近づけるための資材として、最も適切なものを選びなさい。
  • ✅ 硫黄(硫黄華など)
  • 苦土石灰
  • 消石灰
  • 貝殻石灰

解説:アルカリ性にかたむいた土壌には、硫黄を含む資材(硫黄華など)を施すことで、土中で酸化されて酸性の成分をつくり、pHを下げる(酸性側に近づける)ことができます。反対に、酸性土壌を中和するために使われる苦土石灰・消石灰・貝殻石灰はアルカリ性の資材で、目的が逆になる点に注意しましょう。

覚え方:硫黄=土を酸性に「戻す」資材。苦土石灰・消石灰・貝殻石灰は全部アルカリ性にする資材で目的が逆。

問50 種苗法 新しく開発された植物の品種を、開発した人の権利として保護するための法律として、最も適切なものを選びなさい。
  • ✅ 種苗法
  • 農地法
  • 食品衛生法
  • 食品表示法

解説:種苗法は、新しい植物品種を開発した人(育成者)の権利(育成者権)を保護するための法律です。登録された品種の種苗を無断で増やして売ることなどが制限されます。優れた品種の開発を後押しする役割があります。農地法は農地の売買・転用などを規制する法律で、目的がまったく異なります。

覚え方:種苗法=新品種を守る「育成者権」の法律。農地法(土地)・食品衛生法(食品)とは保護対象がまったく違う。

問51 農地法 農地を農地以外の用途(住宅地など)に変える場合に必要となる法律上の手続きに関する記述として、最も適切なものを選びなさい。
  • ✅ 農地法にもとづき、原則として許可を受ける必要がある
  • 所有者の判断だけで、届け出なしに自由に転用できる
  • 農地は法律上の規制がなく、他の土地と同じ扱いである
  • 一度農地に登録すると、永久に用途を変更できない

解説:農地法は、優良な農地が無秩序に減っていくことを防ぐため、農地を農地以外の用途に転用する場合や、農地の売買・貸し借りをする場合に、原則として都道府県知事や農業委員会の許可(届出)を必要とすると定めています。食料の生産基盤である農地を守るための重要な法律です。

覚え方:農地の転用は「農地法の許可」が原則必要。自由に転用できる、という選択肢はすべて誤り。

問52 スマート農業 ロボット技術やICT(情報通信技術)を活用して、作業の省力化や精密な生産管理をめざす農業の考え方として、最も適切なものを選びなさい。
  • ✅ スマート農業
  • 有機農業
  • 混作
  • 自給的農業

解説:スマート農業は、自動運転トラクタやドローン、センサーによる生育データの収集など、ロボット技術やICTを活用して、農作業の省力化や精密な管理をめざす取り組みです。担い手の減少や高齢化が課題となる中、経験や勘に頼ってきた作業を技術で補い、効率的な生産につなげることが期待されています。

覚え方:スマート農業=ロボット・ICTで省力化。有機農業や自給的農業とは軸が違う(技術か、栽培方針か)。

問53 光合成の条件 作物の光合成の速さ(光合成量)に影響する要因の説明として、最も適切なものを選びなさい。
  • ✅ 光の強さ・二酸化炭素濃度・温度のうち、最も不足している要因が全体の速さを決める
  • 光の強さだけが光合成の速さを決め、他の要因は影響しない
  • 二酸化炭素の濃度は、光合成の速さにまったく関係しない
  • 温度が高ければ高いほど、光合成の速さは際限なく増え続ける

解説:光合成の速さは、光の強さ・二酸化炭素濃度・温度など複数の要因がそろって初めて高まりますが、この中で最も不足している要因(限定要因)が全体の速さの上限を決めます。たとえば光が十分でも二酸化炭素が不足していれば、それ以上光合成は速くなりません。施設栽培でのCO2施用は、この考え方を利用した技術です。光の強さだけ、温度だけが常に決め手になるわけではなく、また温度は高すぎると逆に光合成を阻害するため、他の3つの選択肢はいずれも誤りです。

覚え方:光合成は「一番足りないもの」が上限を決める(限定要因の法則)。1つだけ十分でも他が不足なら伸びない。

問54 農業の多面的機能 農業や農地が、農産物の生産以外にもたらすとされる、洪水の防止や美しい景観の保全などのはたらきを表す言葉として、最も適切なものを選びなさい。
  • ✅ 農業の多面的機能
  • 6次産業化
  • 地産地消
  • トレーサビリティ

解説:農業の多面的機能は、農産物を生産する働きのほかに、水田が雨水を一時的にたくわえて洪水を防ぐ働きや、農村の美しい景観の保全、生き物のすみかの提供など、農業・農村が社会にもたらす幅広い価値を指す言葉です。これらは市場での取引価格には表れにくいものの、社会全体にとって大切な役割とされています。

覚え方:多面的機能=生産以外の「おまけ」の価値(洪水防止・景観・生き物のすみか)。6次産業化・地産地消とは別の話。

問55 農業保険 自然災害や価格の下落などにより農業経営者の収入が減った場合に備える、収入全体を対象とした保険制度として、最も適切なものを選びなさい。
  • ✅ 収入保険
  • 生命保険
  • 自賠責保険
  • 火災保険のみ

解説:収入保険は、自然災害による収量の減少だけでなく、価格の下落や需要の減少など、さまざまな理由による農業収入全体の減少を補償する保険制度です。特定の作物・災害だけを対象とする従来の農業共済(作物共済など)よりも、幅広いリスクに備えられる点が特徴で、経営全体の安定を支える仕組みとして導入されています。

覚え方:収入保険=「収入全体」を丸ごとカバー。作物共済より対象が広いのがポイント。

問56 蒸散 作物の蒸散量が多くなりやすい気象条件として、最も適切なものを選びなさい。
  • ✅ 気温が高く、乾燥して風がある日
  • 気温が低く、湿度が高くて無風の日
  • 曇りで気温が低い日
  • 夜間の気温が下がったとき

解説:蒸散は、気温が高く空気が乾燥し、風があるほど盛んになります。これは洗たく物が晴れて乾燥した風のある日によく乾くのと同じ理屈です。蒸散が盛んな日は、根からの水の吸い上げも活発になりますが、水分の補給が追いつかないと作物がしおれやすくなるため、かん水管理に注意が必要です。

覚え方:蒸散は「高温・乾燥・風あり」でMAX。洗濯物がよく乾く日の条件と同じと覚える。

問57 呼吸 作物の「呼吸」のはたらきの説明として、最も適切なものを選びなさい。
  • ✅ 酸素を使って養分を分解し、生命活動に使うエネルギーを取り出す
  • 光のエネルギーを使って炭水化物を合成する
  • 気孔から水分を放出して体温の上昇をおさえる
  • 根から吸収した水を茎や葉に運ぶ

解説:呼吸は、光合成でつくられた養分(炭水化物)を酸素を使って分解し、生きていくために必要なエネルギーを取り出すはたらきで、二酸化炭素と水を放出します。光合成が昼間に光がある時だけ行われるのに対し、呼吸は昼夜を問わず行われる点が大きな違いです。呼吸によって消費される養分の割合をおさえることも、収量を高めるうえで重要です。

覚え方:呼吸は「昼も夜も24時間」。光合成は昼だけ。稼働時間の違いで区別する。

問58 栽培方式 畑に直接種をまく「直まき」と比べたときの「移植栽培」(育苗してから畑に植え付ける方式)の一般的な利点として、最も適切なものを選びなさい。
  • ✅ 苗を選別してから植えられるため、生育のそろいがよくなる
  • 種をまく手間がまったくかからない
  • 根を一切傷めることなく育てられる
  • 畑の面積を無限に節約できる

解説:移植栽培は、育苗箱やポットである程度苗を育ててから畑に植え付ける方式で、生育の悪い苗を取り除いて選別できるため、畑全体の生育がそろいやすくなります。また、畑を苗が育つ期間有効に使えるため、前の作物との作付け間隔を調整しやすい利点もあります。直まきは、移植の手間がかからず、根を傷めずに育てられる点が利点です。

覚え方:移植栽培=苗を選べるから「生育がそろう」。直まきは手間いらず・根が傷まないのが利点、と長所が逆側。

問59 土壌 土が水を保つ力(保水性)と、余分な水を排出する力(排水性)についての説明として、最も適切なものを選びなさい。
  • ✅ 団粒構造が発達した土は、保水性と排水性の両方をバランスよく満たしやすい
  • 保水性と排水性は、どちらか一方を高めればもう一方も必ず高まる
  • 砂だけの土は、保水性・排水性ともに理想的である
  • 粘土だけの土は、排水性が非常によい

解説:団粒構造が発達した土は、団粒どうしの大きなすき間が余分な水を排出し(排水性)、団粒の内部の小さなすき間が水分をたくわえる(保水性)という、一見相反する性質を両立できます。砂だけの土は排水性は高いものの保水性・保肥力に乏しく、粘土だけの土は排水性が悪くなりがちで、それぞれ単独では欠点が出やすくなります。

覚え方:団粒構造=大きいすき間で排水、小さいすき間で保水の「二刀流」。砂は排水だけ、粘土は保水だけの片刃。

問60 土壌 土が肥料の養分(陽イオン)をどれだけ保持できるかを表す指標として、最も適切なものを選びなさい。
  • ✅ CEC(陽イオン交換容量)
  • pH
  • EC(電気伝導度)
  • C/N比

解説:CEC(陽イオン交換容量)は、土がカリウムやカルシウムなどの養分(陽イオン)をどれだけ保持できるかを表す指標です。CECが高い土は、肥料として与えた養分を保持しやすく、雨などで流れ出にくくなります。腐植(有機物由来の成分)を多く含む土は、一般にCECが高くなる傾向があります。pHは酸性・アルカリ性、ECは塩類濃度を表す別の指標です。

覚え方:CEC=養分を「保持する力」。pHは酸性度、ECは塩濃度と、指標ごとに測るものが違う。

問61 肥料の性質 肥料の成分がゆっくりと溶け出すように粒状に加工され、効果が長く続くようにつくられた肥料として、最も適切なものを選びなさい。
  • ✅ 緩効性肥料(被覆肥料など)
  • 速効性の液体肥料
  • 生の家畜ふん
  • 石灰資材

解説:緩効性肥料は、粒の表面を特殊な膜でおおう(被覆する)などの加工により、成分がゆっくりと溶け出すようにつくられた化学肥料です。一度の施肥で長期間効果が続くため、追肥の手間を減らせる利点があります。速効性の液体肥料はすぐに効きますが効果は短く、家畜ふんなど有機質肥料は微生物分解を経てゆっくり効く点で、しくみが異なります。

覚え方:緩効性肥料=粒を膜でコーティングして「ゆっくり長く」効かせる化学肥料。液体肥料(速効)とは正反対。

問62 微量要素 作物にマグネシウム(苦土)が不足したときに現れやすい症状として、最も適切なものを選びなさい。
  • ✅ 古い葉から葉脈の間が黄色くなる
  • 根が急激に伸びて倒れやすくなる
  • 花の色が濃くなる
  • 実の数が異常に増える

解説:マグネシウム(苦土)は葉緑素(クロロフィル)の材料になる要素で、不足すると葉緑素がつくれず、古い葉から葉脈の間が黄色くなる症状(クロロシス)が現れやすくなります。マグネシウムは植物の体内で不足すると若い葉へ優先的に移動する性質があるため、症状はまず古い葉に出やすいのが特徴です。苦土石灰の施用は、酸性土壌の矯正とあわせてマグネシウム補給の役割も果たします。

覚え方:マグネシウム不足=「古い葉」から黄色くなる(クロロシス)。若い葉優先で移動するため症状は古い葉に出る。

問63 病原菌の分類 植物の病気を引き起こす病原体のうち、「糸状菌(カビの仲間)」による病気として、最も適切なものを選びなさい。
  • ✅ うどんこ病
  • モザイク病
  • 軟腐病
  • 青枯病

解説:うどんこ病は、糸状菌(カビの仲間)が原因となって、葉の表面に白い粉をふいたような症状が出る病気です。モザイク病はウイルス、軟腐病や青枯病は細菌が原因の病気で、同じ「病気」でも原因となる病原体の種類(糸状菌・細菌・ウイルス)によって、効果的な防除方法や薬剤が異なります。原因の分類を知ることは、適切な対策を選ぶ第一歩です。

覚え方:うどんこ病=カビ(糸状菌)。モザイク病はウイルス、軟腐・青枯病は細菌。「白い粉」=カビとイメージで覚える。

問64 総合的病害虫管理 農薬だけに頼らず、耕種的防除・生物的防除・物理的防除・化学的防除を組み合わせて病害虫の被害を経済的な許容水準以下におさえる考え方として、最も適切なものを選びなさい。
  • ✅ 総合的病害虫管理(IPM)
  • 有機農業
  • GAP
  • 6次産業化

解説:総合的病害虫管理(IPM、Integrated Pest Management)は、農薬(化学的防除)だけに頼るのではなく、輪作などの耕種的防除、天敵利用などの生物的防除、防虫ネットなどの物理的防除を組み合わせ、被害を経済的に問題のない水準までおさえる考え方です。農薬の使用量をおさえつつ効果的に病害虫を管理できる、持続可能な防除の考え方として広がっています。

覚え方:IPM=4つの防除法(耕種的・生物的・物理的・化学的)を全部組み合わせる「総合」技。

問65 気象災害 長期間雨が降らないことで土壌の水分が不足し、作物の生育に悪影響が出る気象災害として、最も適切なものを選びなさい。
  • ✅ 干害
  • 水害
  • 凍霜害
  • 雪害

解説:干害は、長期間の少雨によって土壌中の水分が不足し、作物がしおれたり生育が止まったりする気象災害です。スプリンクラーなどによるかん水設備の整備が対策になります。水害は大雨による冠水・浸水の被害、凍霜害は低温による凍結被害、雪害は積雪による倒伏などの被害で、原因となる気象現象がそれぞれ異なります。

覚え方:干害=水不足。水害・凍霜害・雪害はそれぞれ大雨・低温・積雪が原因で、干害だけ「水が無い」側。

問66 気象災害 台風や低気圧にともなう強い風によって、作物の茎が折れたり実が落ちたりする気象災害として、最も適切なものを選びなさい。
  • ✅ 風害
  • 干害
  • 冷害
  • 凍霜害

解説:風害は、台風や発達した低気圧による強風によって、作物の茎折れ、実の落下、ハウスなどの施設の損壊が起こる気象災害です。防風ネットや防風林の設置、支柱の補強などが対策として行われます。干害は水不足、冷害は低温、凍霜害は霜による被害で、それぞれ原因となる気象現象が異なる点を整理しておきましょう。

覚え方:風害=台風の強風で茎折れ・実落ち。干害(水不足)・冷害(低温)とは原因の種類が違う。

問67 家畜の成長段階 家畜の一生のうち、生まれてから乳離れ(離乳)するまでの期間を指す言葉として、最も適切なものを選びなさい。
  • ✅ 哺乳期
  • 繁殖期
  • 肥育期
  • 産卵期

解説:哺乳期は、家畜が生まれてから母乳(または人工乳)で育てられ、離乳するまでの期間です。この時期の健康管理は、その後の発育に大きく影響します。離乳後は、繁殖のための繁殖期や、肉をつけるための肥育期など、目的に応じた飼育段階に進んでいきます。家畜の成長段階ごとに管理方法が変わる点を理解しておきましょう。

覚え方:哺乳期=生まれてから乳離れまで。その後は繁殖期・肥育期へ、と成長段階の順番で覚える。

問68 家畜の改良 異なる品種の家畜をかけ合わせてつくる交雑種が、両方の親よりもすぐれた発育や生産性を示すことがある現象として、最も適切なものを選びなさい。
  • ✅ 雑種強勢
  • 自家不和合性
  • 単為結果
  • 反すう

解説:雑種強勢は、異なる品種をかけ合わせた交雑種が、発育の早さや病気への強さなどの点で、両方の親品種よりもすぐれた性質を示す現象です。養豚での三元交配(複数品種のかけ合わせ)などで積極的に活用されています。植物のF1品種で見られる現象と同じ原理が、家畜の品種改良にも応用されています。

覚え方:雑種強勢=異なる品種をかけると両親超え。植物のF1と同じ原理が家畜(三元交配)にも使われる。

問69 地産地消 その地域で生産された農産物を、その地域で消費する取り組みを表す言葉として、最も適切なものを選びなさい。
  • ✅ 地産地消
  • 6次産業化
  • フードマイレージ
  • トレーサビリティ

解説:地産地消は、地域でとれた農産物を、その地域で消費する取り組みです。輸送距離が短くなることで新鮮な状態で届けられ、輸送にかかるエネルギーやコストの削減にもつながるとされます。直売所や学校給食での地場産物の利用などが代表的な例です。フードマイレージは輸送距離に着目した別の指標で、地産地消の効果を測る目安としても使われます。

覚え方:地産地消=「地元で作って地元で食べる」。フードマイレージ(輸送距離の指標)とはセットで語られる別概念。

問70 認定農業者制度 農業経営を発展させるための計画を市町村に申請し、認定を受けることで、資金の融資などの支援策が受けやすくなる制度として、最も適切なものを選びなさい。
  • ✅ 認定農業者制度
  • 種苗法
  • GAP
  • 食品表示法

解説:認定農業者制度は、農業経営の改善に向けた計画(農業経営改善計画)を市町村に提出し、認定を受けた農業者に対して、低金利融資や税制上の優遇など、経営発展を後押しするさまざまな支援策を用意する制度です。意欲的に経営規模の拡大や効率化に取り組む担い手を支える仕組みとして活用されています。

覚え方:認定農業者制度=経営改善計画を出すと融資などの支援が受けやすくなる制度。種苗法・GAPとは目的が別。

問71 中山間地域農業 平地に比べて傾斜地が多く、まとまった農地の確保がしにくい山間部や、その周辺の地域の農業を表す言葉として、最も適切なものを選びなさい。
  • ✅ 中山間地域農業
  • 施設園芸
  • 都市型農業
  • 輸出向け農業

解説:中山間地域は、平野の外縁部から山間地にかけて広がる、傾斜地が多くまとまった農地を確保しにくい地域です。この地域の農業は、水田の保全が洪水防止や景観維持など多面的機能を発揮する一方、生産条件が不利になりやすいため、条件不利地域への直接支払など、農業を継続しやすくする支援策が用意されています。

覚え方:中山間地域=傾斜地が多く農地確保が難しい山間部。多面的機能を発揮する分、支援策も用意されている。

問72 農家の分類 世帯の中に農業以外の仕事による収入がある農家を表す言葉として、最も適切なものを選びなさい。
  • ✅ 兼業農家
  • 専業農家
  • 認定農業者
  • 自給的農家

解説:兼業農家は、世帯の中に農業以外の仕事(会社勤めなど)による収入がある農家です。農業所得が主な兼業農家(第1種)と、農業以外の所得が主な兼業農家(第2種)に分けられます。反対に、世帯の収入が農業からのみである農家を専業農家と呼びます。日本の農家の多くは兼業農家が占めている、という実態も押さえておきたいポイントです。

覚え方:兼業農家=農業以外の収入もある家。専業農家は農業だけ。「兼ねる」仕事があるかどうかで区別。

問73 農業法人 個人ではなく法人(会社などの組織)として農業を営むことの一般的な利点として、最も適切なものを選びなさい。
  • ✅ 従業員を雇用しやすくなり、経営の継続や規模拡大がしやすくなる
  • 農地を持たなくても必ず経営が成り立つ
  • 税金の申告が一切不要になる
  • 農業の仕事内容が個人経営と大きく変わる

解説:農業法人化すると、従業員の社会保険整備などにより人材を雇用しやすくなり、経営者が交代しても経営を継続しやすくなるなど、規模拡大や事業の安定に役立つ利点があります。資金調達や取引先からの信用が得やすくなる面もあります。個人経営から法人経営へ移行する際は、税務や労務の手続きが増える点にも注意が必要です。

覚え方:法人化のメリットは「人を雇いやすい・経営が続く」。税務や労務の手続きが増える点は逆にデメリット。

問74 農地の集積・集約化 地域内に分散した小さな農地を、意欲のある担い手にまとめて貸し付け、農地を集約する取り組みを支える組織として、最も適切なものを選びなさい。
  • ✅ 農地中間管理機構(農地バンク)
  • 農業協同組合の信用事業
  • 食品衛生協会
  • 森林組合

解説:農地中間管理機構(農地バンク)は、高齢化などで農業を続けにくくなった農地所有者から農地を借り受け、規模拡大を目指す担い手にまとめて貸し付けることで、分散した農地の集積・集約化を進める都道府県単位の組織です。これにより、担い手はまとまった面積で効率的に農業を行いやすくなります。

覚え方:農地バンク=分散した農地を借りて「まとめて」貸し出す都道府県単位の組織。農協・森林組合とは業務が別。

問75 農業の税務 複式簿記による正確な記帳を行うことで、税制上の優遇(特別控除など)が受けられる確定申告の方式として、最も適切なものを選びなさい。
  • ✅ 青色申告
  • 白色申告
  • 年末調整
  • 源泉徴収

解説:青色申告は、複式簿記による帳簿づけなど一定の要件を満たして申告することで、所得から一定額を差し引ける青色申告特別控除など、税制上の優遇を受けられる確定申告の方式です。農業経営でも、経営状況を正確に把握し、融資などの際に信用を得るためにも、青色申告に取り組む農家が増えています。白色申告は簡易な記帳で申告できる方式です。

覚え方:青色申告=複式簿記で「特別控除」がもらえる方式。白色申告は簡易な記帳で控除が少ない、と手間と特典がセット。

問76 アニマルウェルフェア 家畜が本来の行動をとれる環境を整えるなど、ストレスや苦痛をできるだけ減らして飼育しようとする考え方として、最も適切なものを選びなさい。
  • ✅ アニマルウェルフェア(家畜福祉)
  • トレーサビリティ
  • バイオセキュリティ
  • GAP

解説:アニマルウェルフェア(家畜福祉)は、家畜が飢えや渇き、不快、痛み・傷害・病気、恐怖や抑圧から自由であり、正常な行動を発現する自由をもてるよう配慮する考え方です。飼育密度をゆるめたり、ケージではなく平飼いにしたりする取り組みなどが含まれます。近年、消費者の関心の高まりとともに、畜産経営でも重視されるようになってきています。

覚え方:アニマルウェルフェア=家畜の「5つの自由」(飢え・不快・痛み・恐怖からの自由+正常行動の自由)。

問77 食品ロス 本来食べられるにもかかわらず、賞味期限切れや規格外などの理由で廃棄されてしまう食品を表す言葉として、最も適切なものを選びなさい。
  • ✅ 食品ロス(フードロス)
  • 食料自給率
  • フードシステム
  • 食料需給表

解説:食品ロス(フードロス)は、まだ食べられるにもかかわらず、売れ残りや規格外、食べ残しなどの理由で廃棄されてしまう食品のことです。生産・流通・家庭のさまざまな段階で発生し、社会全体での削減が課題となっています。賞味期限内でも早めに食べる、規格外品を加工品として活用するなどの取り組みが進められています。

覚え方:食品ロス=「まだ食べられるのに」捨てられる食品。賞味期限切れ・規格外・食べ残しが主な原因。

問78 農薬の使用基準 農薬のラベルに記載されている「収穫前日数」の説明として、最も適切なものを選びなさい。
  • ✅ その農薬を使用してから、何日以上たてば収穫してよいかを示す日数
  • 農薬を保管できる期限を示す日数
  • 農薬を薄めてから使い切るまでの日数
  • 農薬をまいた作業者が畑に入れない日数

解説:収穫前日数は、農薬を使用してから収穫までにあけるべき最低日数のことで、農薬のラベルに記載されています。これを守ることで、収穫物に残る農薬の量が安全な基準内におさまるようにしています。使用回数や希釈倍率とあわせて、農薬ラベルに書かれた使用基準は必ず守らなければならない重要なルールです。

覚え方:収穫前日数=「農薬を使ってから収穫までの最低待ち時間」。保管期限や使用後の日数とは意味が違う。

問79 品種の歴史 その土地で古くから栽培され、地域の気候風土に適応してきた品種を表す言葉として、最も適切なものを選びなさい。
  • ✅ 在来種
  • F1品種(一代雑種)
  • GM品種(遺伝子組換え品種)
  • 登録品種

解説:在来種は、ある地域で古くから栽培・選抜されてきた、その土地の気候風土に適応した品種です。地域の伝統野菜などとして受け継がれているものも多くあります。F1品種は人為的にかけ合わせてつくる一代雑種、GM品種は遺伝子組換え技術でつくられた品種で、在来種とは成り立ちが異なります。

覚え方:在来種=地域に根づいた「昔ながら」の品種。F1(交配)・GM(遺伝子組換え)とは成り立ちが違う。

問80 遺伝の基礎 生物の形や性質が親から子へ伝わるしくみに関する基礎的な説明として、最も適切なものを選びなさい。
  • ✅ 親の遺伝情報の組み合わせにより、子には両親双方の性質が伝わりうる
  • 子には必ず父親の性質だけが伝わる
  • 遺伝情報は世代を重ねるごとにまったく変化しない
  • 品種改良では遺伝のしくみをまったく利用しない

解説:生物は、両親から半分ずつ受け継いだ遺伝情報の組み合わせによって、形や性質が子に伝わります。組み合わせ方によっては、片方の親に強く似た性質が現れたり、両親の中間的な性質が現れたりします。品種改良(交配育種)は、この遺伝のしくみを利用して、望ましい性質を安定して持つ新しい品種を生み出す技術です。

覚え方:遺伝は「両親から半分ずつ」。父親だけ、変化なし、といった極端な選択肢はすべて誤り。

問81 食料需給表 国内で1年間に供給された食料の量や、そのうち輸入に頼る割合などを示す統計として、最も適切なものを選びなさい。
  • ✅ 食料需給表
  • 国勢調査
  • 農林業センサス
  • 家計調査

解説:食料需給表は、国内で1年間に生産・輸入された食料の量や、消費に回った量などをまとめた統計で、食料自給率を計算するもとにもなっています。農林水産省が毎年公表しており、日本の食料事情の変化を長期的に把握する基礎資料として使われます。国勢調査や家計調査は、それぞれ人口や家計の収支を調べる別の統計です。

覚え方:食料需給表=食料版の家計簿(生産・輸入・消費の量をまとめた統計)。国勢調査(人口)・家計調査(支出)とは対象が違う。

問82 地球温暖化と農業 地球温暖化が農業にもたらす影響として、最も適切なものを選びなさい。
  • ✅ 気温の上昇により、農作物の適地や品質、病害虫の発生時期などが変化する
  • 農業への影響はまったくないとされている
  • すべての作物の収量が必ず増加する
  • 害虫の発生が完全になくなる

解説:地球温暖化にともなう気温の上昇は、米の品質低下(高温障害)や、果樹の栽培適地の変化、これまで発生しなかった地域での病害虫の発生など、農業にさまざまな影響を与えるとされています。高温に強い品種の導入や、栽培時期の見直しなど、変化する気候に対応した技術の開発・普及が課題となっています。農業への影響がまったくない、すべての作物の収量が必ず増加する、害虫の発生が完全になくなる、といった断定はいずれも実態と異なるため誤りです。

覚え方:温暖化の影響は「適地・品質・病害虫の発生時期が変化する」。影響なし、収量が必ず増える、は誤り。

問83 農業機械の安全 トラクタなどの農業機械を使った作業中の事故を防ぐための注意点として、最も適切なものを選びなさい。
  • ✅ 傾斜地での急な方向転換やスピードの出しすぎを避ける
  • 動いている刃の部分に手を近づけて調子を確認する
  • 安全カバーは作業のじゃまになるので外しておく
  • 疲れているときほど集中できるので長時間作業を続ける

解説:農業機械による事故は、傾斜地での転倒・転落や、回転部分への巻き込みなどが多く発生しています。急な方向転換やスピードの出しすぎを避け、安全カバーを外さない、疲れているときは無理をしないなど、基本的な注意を守ることが事故防止につながります。農作業事故は命に関わることも多いため、日ごろからの安全確認が欠かせません。

覚え方:農業機械事故は「傾斜地の転倒」と「回転部分の巻き込み」の2大パターン。安全カバーは外さない。

問84 バイオマスエネルギー 家畜のふん尿や稲わら、間伐材など、生物由来の資源を燃料や発電に利用する取り組みとして、最も適切なものを選びなさい。
  • ✅ バイオマスエネルギーの利用
  • 太陽光発電のみの利用
  • 原子力発電
  • 地熱発電

解説:バイオマスエネルギーは、家畜のふん尿、稲わら、木材の間伐材といった生物由来の資源(バイオマス)を、発酵させてガスをつくったり、燃焼させたりして、電力や熱エネルギーとして利用する取り組みです。廃棄物として処理されがちな資源を有効活用でき、再生可能エネルギーの一つとして注目されています。農業・畜産業から出る資源の新たな活用先としても期待されています。

覚え方:バイオマス=生き物由来の資源(ふん尿・稲わら・間伐材)を燃料に。太陽光・原子力・地熱とは原料の種類が違う。

問85 土地改良区 農業用水路やため池などの水利施設を、農家自身が組織をつくって管理・維持する仕組みとして、最も適切なものを選びなさい。
  • ✅ 土地改良区
  • 農業協同組合
  • 森林組合
  • 漁業協同組合

解説:土地改良区は、農業用水路やため池、頭首工などの水利施設を、その地域の農家が組合員となって管理・維持していくための組織です。施設の維持管理費用を組合員で分担し、必要な補修や更新を計画的に行います。農業を続けるうえで欠かせない水利施設が、地域の共同の力で支えられていることを示す仕組みです。

覚え方:土地改良区=水路やため池を「農家自身」で維持管理する組織。農協・森林組合・漁協とは対象施設が違う。

問86 種子の休眠 種子が発芽に適した条件(水・温度・酸素など)がそろっていても、一定期間発芽しない性質を表す言葉として、最も適切なものを選びなさい。
  • ✅ 休眠
  • 春化
  • 遷移
  • 馴化

解説:休眠は、種子が発芽に適した条件がそろっていても、一定期間は発芽しない性質です。休眠によって、収穫後すぐや、季節外れの不適切な時期に発芽してしまうことを防ぎ、生育に適した時期まで発芽を待つことができます。休眠を人為的に打破するために、低温処理や薬剤処理などが行われることもあります。

覚え方:休眠=条件がそろっても「あえて」発芽しない性質。春化(低温で花芽)・遷移(群落の変化)とは現象が別。

問87 春化 コムギなど一部の作物が、一定期間低温にさらされることで花芽をつくる準備が整う現象として、最も適切なものを選びなさい。
  • ✅ 春化(バーナリゼーション)
  • 遷移
  • 休眠
  • 馴化

解説:春化(バーナリゼーション)は、コムギやハクサイなど一部の作物が、生育の途中で一定期間低温にさらされることで、花芽をつくる準備が整う現象です。冬を経験することで春に花を咲かせる準備をする性質と考えられ、秋まきコムギなどの栽培時期の設定に関わっています。人為的に低温処理を行い、花芽形成を早める技術にも応用されています。

覚え方:春化=低温を経験して花芽の準備が整う現象(コムギなど)。休眠(発芽を待つ)とは対象も現象も違う。

問88 電照栽培 短日植物であるキクに夜間人工の光を当てることで、開花時期を遅らせて出荷時期を調整する栽培技術として、最も適切なものを選びなさい。
  • ✅ 電照栽培
  • 抑制栽培(温度による)
  • 水耕栽培
  • 根圏加温

解説:電照栽培は、短日植物であるキクなどに、夜間に人工の光を当てて日長を長く感じさせることで花芽形成を遅らせ、開花時期をずらして出荷する栽培技術です。これにより、本来の開花時期以外にもキクを需要に合わせて安定的に出荷できるようになります。日長への反応(短日植物・長日植物)の性質を逆手にとった、実用的な技術の一例です。

覚え方:電照栽培=夜に光を当てて「夜を短く錯覚」させ、キクの開花を遅らせる技術。

問89 肥料の要素 窒素・リン酸・カリの三要素ほど多くは必要としないが、作物の生育に欠かせない「中量要素」に分類される元素の組み合わせとして、最も適切なものを選びなさい。
  • ✅ カルシウム・マグネシウム・硫黄
  • 窒素・リン・カリウム
  • 鉄・マンガン・亜鉛
  • 炭素・水素・酸素

解説:中量要素は、多量要素(窒素・リン酸・カリなど)ほど大量には必要としないものの、微量要素よりは多めに必要とされる元素で、カルシウム・マグネシウム・硫黄が代表例です。カルシウムは細胞壁を強くし、マグネシウムは葉緑素の材料になり、硫黄はタンパク質の合成に関わります。不足すると、それぞれ特有の生育障害が現れます。

覚え方:中量要素=Ca・Mg・S(細胞壁・葉緑素・タンパク質の材料)。三要素(N・P・K)より少なめ、微量要素より多め。

問90 土壌診断 施肥計画を立てる前に、畑の土のpHや養分の状態を調べる作業を何というか、最も適切なものを選びなさい。
  • ✅ 土壌診断
  • 生育診断
  • 食味検査
  • 残留農薬検査

解説:土壌診断は、畑の土を採取して、pHや窒素・リン酸・カリなどの養分量を調べる作業です。診断結果をもとに、不足している養分を補ったり、過剰な養分を控えたりする適切な施肥計画を立てることができます。勘や経験だけに頼らず、土の状態を数値で把握することで、むだのない効率的な施肥やコスト削減につながります。

覚え方:土壌診断=施肥「前」に土の状態を調べる作業。生育診断(育ち方を見る)とは調べるタイミングが違う。

問91 輪作年限 連作障害を防ぐために、同じ科の作物を作らずにあける期間の目安を表す言葉として、最も適切なものを選びなさい。
  • ✅ 輪作年限
  • 収穫適期
  • 生育期間
  • 休閑期間のみ

解説:輪作年限は、連作障害を防ぐために、同じ科の作物を同じ場所で栽培したあと、次に同じ科の作物を作るまでにあけるべき期間の目安です。作物の種類によって必要な年数は異なり、病害の出やすさなどをふまえて栽培計画を立てる際の参考にされます。輪作年限を守ることは、土壌消毒などに頼りすぎない、基本的な連作障害対策の一つです。

覚え方:輪作年限=同じ科を作らずあける「年数」の目安。収穫適期・生育期間とは意味がまったく違う言葉。

問92 農薬の効果 同じ農薬を続けて使い続けることで、病害虫がその農薬に対して効きにくくなる現象として、最も適切なものを選びなさい。
  • ✅ 薬剤抵抗性
  • 自家不和合性
  • 雑種強勢
  • 連作障害

解説:薬剤抵抗性は、同じ系統の農薬を繰り返し使い続けることで、その農薬が効きにくい性質を持つ病害虫の割合が増えていく現象です。これを防ぐため、作用の異なる複数の農薬をローテーションで使うことが推奨されています。農薬に頼りすぎず、耕種的防除や生物的防除と組み合わせることも、薬剤抵抗性の発達をおさえるうえで重要です。

覚え方:薬剤抵抗性=同じ農薬の使いすぎで「効かない虫」が増える現象。対策はローテーション散布。

問93 農業経営のセーフティネット 自然災害や価格の変動によって農業収入が減った際に備える公的な仕組み全般の目的として、最も適切なものを選びなさい。
  • ✅ 予測できないリスクによる収入減少の影響をやわらげ、農業経営を継続しやすくする
  • 農業経営者の所得を毎年必ず増加させる
  • すべての農産物の価格を国が固定する
  • 自然災害の発生そのものを防ぐ

解説:農業共済(収入保険を含む)などのセーフティネットは、天候不順や価格の下落など、農業者の努力だけでは避けられないリスクによる収入の減少を補うことで、経営が立ち行かなくなるのを防ぎ、次の作付けや経営継続を後押しする目的で設けられています。自然災害の発生自体を防ぐものではなく、あくまで経営への影響をやわらげるための仕組みです。農業経営者の所得を毎年必ず増加させる、農産物価格をすべて国が固定する、自然災害の発生そのものを防ぐ、といった内容はいずれもセーフティネットの目的ではないため誤りです。

覚え方:セーフティネットは「収入減少の影響をやわらげる」もの。災害を防ぐ・所得を必ず増やす、は誤り。

問94 食料需給 外食産業や食品加工業などで使われる、業務用・加工用としての需要が多い農産物の一般的な特徴として、最も適切なものを選びなさい。
  • ✅ 価格の安定性や、一定の規格量をまとめて供給できることが重視されやすい
  • 見た目の美しさだけが取引の唯一の基準になる
  • 業務用・加工用の需要は家庭用よりも常に少ない
  • 加工用農産物には規格や品質の基準がまったくない

解説:外食や食品加工の現場では、見た目の美しさよりも、一定の品質・規格の農産物を安定した価格でまとまった量、継続的に供給できることが重視される傾向があります。契約栽培などにより、生産者と実需者があらかじめ数量や価格を取り決めて安定供給を図る取り組みも広がっています。家庭用とは異なる視点での農産物の価値づけがある点を理解しておきましょう。

覚え方:業務用・加工用は「安定供給できるか」が重視される。見た目重視は家庭用向けの話と対比。

問95 農業の担い手 国内の農業における労働力不足を補う取り組みの一つとして、近年増えている人材の受け入れ方として、最も適切なものを選びなさい。
  • ✅ 外国人材の技能実習・特定技能などによる受け入れ
  • 農業機械の使用をすべて禁止すること
  • 農地の面積をすべて半分にすること
  • 農作業をすべて手作業に戻すこと

解説:農業分野では、高齢化や人口減少にともなう労働力不足への対応として、技能実習制度や特定技能制度を通じた外国人材の受け入れが進んでいます。あわせて、スマート農業による省力化や、繁忙期だけの短期雇用の仕組みづくりなど、さまざまな方法で労働力不足を補う取り組みが行われています。

覚え方:労働力不足の対策=外国人材の技能実習・特定技能の受け入れ。機械禁止・面積半減は逆効果な誤答。

問96 スマート農業 スマート農業の具体的な取り組み例として、最も適切なものを選びなさい。
  • ✅ GPSを利用した自動操舵システムで、トラクタの作業を省力化する
  • 農作業の記録をすべて紙の台帳だけで管理する
  • 天候にかかわらず、毎日同じ量の水と肥料を与え続ける
  • 収穫時期の判断を経験のみにたよりデータは一切使わない

解説:スマート農業の具体例として、GPSを利用してトラクタが自動で正確な経路を走行する自動操舵システムや、センサーで得た生育データにもとづくかん水・施肥の管理、ドローンによる生育状況の把握や農薬散布などが挙げられます。これらは、経験や勘に頼っていた作業をデータにもとづいて効率化し、労働力不足の解消にも役立てられています。

覚え方:スマート農業の具体例=GPS自動操舵・センサー・ドローン。紙の台帳・勘だけの管理はスマート農業の「対極」。

問97 貿易と農業 複数の国や地域が関税の引き下げなどを取り決める経済連携協定(EPA)やTPPなどが、国内農業に与える一般的な影響として、最も適切なものを選びなさい。
  • ✅ 海外からの安い農産物が輸入されやすくなり、国内農業は競争にさらされやすくなる
  • 国内の農産物の輸出入がすべて禁止される
  • 国内農業への影響はまったくない
  • 国内の農産物価格が必ず上昇する

解説:貿易自由化を進めるEPAやTPPなどの協定では、関税が引き下げられることで、海外から比較的安い農産物が輸入されやすくなり、国内農業は価格面での競争にさらされやすくなります。一方で、国内農産物の輸出拡大の機会が広がる面もあります。品質や付加価値での差別化、生産コストの低減などが、国内農業の競争力を高める課題となっています。

覚え方:EPA・TPP=関税が下がって「安い輸入品」が増える→国内農業は競争にさらされる、という影響の方向を覚える。

問98 農業委員会 市町村に置かれ、農地の売買・貸し借りの許可や、農地の効率的な利用の促進などを担う行政委員会として、最も適切なものを選びなさい。
  • ✅ 農業委員会
  • 教育委員会
  • 選挙管理委員会
  • 公正取引委員会

解説:農業委員会は、市町村に置かれる行政委員会で、農地法にもとづく農地の売買・貸し借りの許可、耕作放棄地の実態調査、担い手への農地の集積の推進などを担っています。地域の農業者から選ばれた委員などで構成され、地域の農地を適正に利用・管理していくための重要な役割を果たしています。

覚え方:農業委員会=市町村の「農地版」行政委員会。教育・選挙管理・公正取引委員会とは所管がまったく違う。

問99 有機JAS認証 化学肥料や農薬に頼らず生産された農産物であることを、国の基準にもとづいて認証する制度として、最も適切なものを選びなさい。
  • ✅ 有機JAS認証
  • GAP認証のみ
  • HACCP認証
  • 特定保健用食品の認可

解説:有機JAS認証は、化学的に合成された肥料・農薬を原則使用しないなど、国が定める基準を満たして生産された農産物・加工食品に対して与えられる認証です。認証を受けた製品だけが「有機」「オーガニック」と表示することができ、消費者が安心して選べるようにする役割があります。認証を受けるには、登録認証機関による検査が必要です。

覚え方:有機JAS認証=「有機」「オーガニック」表示に必須の国の認証。GAPやHACCPは生産・衛生管理の話で別制度。

問100 特別栽培農産物 その地域の慣行的な栽培方法と比べて、化学肥料や農薬の使用を減らして栽培された農産物を表す言葉として、最も適切なものを選びなさい。
  • ✅ 特別栽培農産物
  • 有機農産物
  • 遺伝子組換え農産物
  • 輸入農産物

解説:特別栽培農産物は、その地域の慣行栽培(一般的な栽培方法)と比較して、化学肥料や農薬の使用回数・使用量を一定割合以上減らして栽培された農産物を表す言葉です。有機農産物ほど厳しい基準ではありませんが、減農薬・減化学肥料への取り組みを消費者にわかりやすく伝える表示として使われています。栽培方法にもとづく農産物の分類の一つとして押さえておきましょう。

覚え方:特別栽培農産物=慣行栽培より減農薬・減化学肥料。有機JASほど厳しくない「中間」の基準と覚える。

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