トップ解説記事

共通(農業基礎)

種子の発芽と休眠を整理する|好光性種子・嫌光性種子・休眠打破

農業技術検定3級で頻出の種子の性質(好光性種子・嫌光性種子・休眠・休眠打破)と、種子の保管方法を整理します。まく深さを間違えると発芽しない理由がわかります。

種まきをするとき、「浅くまく種」と「深くまく種」があるのを知っていますか。これは種子の性質の違いによるもので、農業技術検定3級でも頻出のテーマです。この記事では、種子が発芽するしくみと、それに関わる用語を整理します。

好光性種子と嫌光性種子の違いを示す図解。左側は光が当たると発芽しやすい好光性種子を浅くまく様子、右側は光を嫌う嫌光性種子を深くまく様子を表している

好光性種子と嫌光性種子

種子の中には、光が当たることが発芽のスイッチになるものがあります。これを好光性種子(明発芽種子)といい、レタスやシソなどが代表例です。好光性種子は、土を深くかぶせて光を遮ってしまうと発芽しにくくなるため、種まきは浅くするのが基本です。

反対に、光を嫌い暗い場所の方が発芽しやすい種子を嫌光性種子(暗発芽種子)といい、ダイコンやトマトなどが当てはまります。嫌光性種子は、光が当たったままだと発芽が抑えられてしまうため、種まきは深めにして光を遮る必要があります。

同じ「種をまく」という作業でも、この性質を知らずに深さを間違えると、発芽率が大きく下がってしまいます。種まきの深さは、品種ごとの目安に従うだけでなく、その種子が好光性か嫌光性かという視点でも理解しておくと、初めて扱う作物でも判断しやすくなります。

休眠と休眠打破

種子は、水・温度・酸素といった発芽に適した条件がすべてそろっていても、すぐには発芽しないことがあります。この性質を休眠といいます。

休眠には意味があります。もし収穫直後や季節外れの時期にすぐ発芽してしまうと、その後の低温や乾燥で枯れてしまう可能性が高くなります。休眠によって、生育に適した時期まで発芽を先延ばしにしているのです。

この休眠を人為的に解く処理を休眠打破といいます。代表的な方法が、一定期間、種子を低温や湿った状態にさらす低温湿層処理です。自然界でも、冬の寒さを経験することで休眠が解け、春に発芽の準備が整うしくみになっており、これを人工的に再現した処理といえます。栽培現場では、発芽の時期をそろえる目的でこうした処理が行われることがあります。

種子の保管方法

種子は生きた組織であり、常に呼吸をしています。温度と湿度が高いほど呼吸が活発になって種子内部の養分を消耗し、発芽能力の寿命が縮まってしまいます。そのため、種子を長期間保管して発芽能力を保つには、低温・乾燥・密閉が基本原則になります。乾燥剤とともに冷暗所や冷蔵庫で保管するのが適切な方法です。

なぜ検定に出るのか

日本農業技術検定3級では、「好光性種子として最も適切なものを選べ」「休眠打破の処理として最も適切なものを選べ」といった形で出題されます。用語を単独で覚えるのではなく、発芽の条件・タイミングを植物がどうコントロールしているかという一つのストーリーとして理解しておくと、初めて見る組み合わせの選択肢にも対応しやすくなります。

まとめ

種子には、光が発芽のスイッチになる好光性種子と、光を嫌う嫌光性種子があり、まく深さを性質に合わせて変える必要があります。休眠は不適切な時期の発芽を防ぐしくみで、低温湿層処理などで人為的に打破できます。種子の保管は低温・乾燥・密閉が基本です。

演習で理解を確かめたい方は、農業基礎(共通)の一問一答もあわせてご活用ください。

広告

共通(農業基礎)の一問一答で確認する ›

解説記事一覧に戻る