野菜の問題では、「この野菜は何科か」「食べているのはどの部分か」がよく問われます。科を知っておくと、連作障害や病害虫、栽培の方法まで関連づけて理解できるため、栽培系だけでなく農業基礎(共通)の得点にもつながります。この記事では、主な野菜の科と、利用する部位による分類を整理します。
「科」を覚えると何がわかるのか
植物は、花や実のつくりなどの特徴から「科」というグループに分けられています。同じ科の野菜は、かかりやすい病気や害虫、好む栽培条件が似ています。そのため、
- 同じ科の野菜を続けて作ると連作障害が出やすい
- 同じ科の野菜には同じ害虫がつきやすい(アブラナ科のアオムシなど)
- 花や実のつき方が似ているので、栽培管理の考え方も共通する部分が多い
といったことがわかります。科は、ばらばらの知識をつなぐ「整理棚」のような役割を果たします。
主な野菜の科
| 科 | 主な野菜 | 特徴・覚え方 |
|---|---|---|
| ナス科 | トマト、ナス、ピーマン、トウガラシ、ジャガイモ | ジャガイモもナス科という点がよく問われる |
| ウリ科 | キュウリ、カボチャ、スイカ、メロン、ゴーヤ | つるを伸ばし、雄花と雌花が分かれて咲く |
| アブラナ科 | キャベツ、ハクサイ、ダイコン、カブ、ブロッコリー、コマツナ | 花びらが4枚で十字形に並ぶ |
| マメ科 | ダイズ(エダマメ)、エンドウ、インゲン、ソラマメ | 根に根粒菌がすみ、空気中の窒素を利用できる |
| キク科 | レタス、シュンギク、ゴボウ | ゴボウとレタスが同じ科という意外性に注意 |
| セリ科 | ニンジン、セロリ、ミツバ、パセリ | 独特の香りを持つものが多い |
| ヒガンバナ科(旧ユリ科) | ネギ、タマネギ、ニンニク、ニラ | 以前はユリ科に分類されていた |
| ヒユ科(旧アカザ科) | ホウレンソウ | 以前はアカザ科に分類されていた |
| ヒルガオ科 | サツマイモ | アサガオと同じ科 |
ネギ類やホウレンソウのように、分類の見直しによって科の名前が変わった野菜もあります。教材によって古い名前で書かれていることもあるので、両方の名前を知っておくと安心です。
マメ科と根粒菌
マメ科の野菜の根には、こぶのような「根粒」ができます。ここにすむ根粒菌は、空気中の窒素を作物が使える形に変えるはたらき(窒素固定)を持っています。そのため、マメ科の野菜は窒素肥料が少なくても育ちやすく、窒素を多く与えすぎると、葉やつるばかり茂って実がつきにくくなる「つるぼけ」を起こすことがあります。
食べる部分による分類
野菜は、主に利用する部分によって次のように分けられます。
| 分類 | 利用する部分 | 例 |
|---|---|---|
| 葉菜類 | 葉や茎 | キャベツ、ハクサイ、ホウレンソウ、レタス、ネギ |
| 果菜類 | 果実や種子 | トマト、ナス、キュウリ、カボチャ、エダマメ、イチゴ |
| 根菜類 | 地下の根や茎 | ダイコン、ニンジン、ゴボウ、ジャガイモ、サツマイモ |
イチゴは果物のイメージが強いですが、畑で一年生の作物として育てる性質から、野菜(果菜類)として扱われます。スイカやメロンも同じ理由で、生産・統計のうえでは野菜に分類されます。
ジャガイモとサツマイモは「食べる部分」が違う
どちらも「イモ」として食べられていますが、ジャガイモとサツマイモは、植物のどの部分がふくらんだものかが違います。
- ジャガイモ:地下の茎がふくらんだ塊茎(かいけい)。表面のくぼみ(芽)から新しい茎が出る。ナス科
- サツマイモ:根がふくらんだ塊根(かいこん)。ヒルガオ科
ジャガイモの芽や、光に当たって緑色になった皮には、ソラニンなどの有害な成分が含まれるため、調理のときに取り除く必要があります。これも茎の性質を持つジャガイモならではの注意点です。
同じように、タマネギの食べている部分は、葉の付け根が厚く重なったりん茎(鱗茎)です。根菜のように見えても、実は葉が変化した部分を食べています。
ほかにも、ブロッコリーやカリフラワーは、つぼみの集まり(花蕾)を食べる野菜で、花菜類として分けることもあります。
引っかけ選択肢のパターン
- 「ジャガイモはヒルガオ科である」:サツマイモの科と入れ替えたもの
- 「サツマイモは塊茎である」:ジャガイモの部位と入れ替えたもの
- 「キュウリはナス科である」:果菜類どうしで科を入れ替えたもの
科と部位は「ジャガイモ=ナス科・塊茎」「サツマイモ=ヒルガオ科・塊根」のように、セットで覚えておくと取り違えにくくなります。
演習で確認しよう
野菜の科と分類を整理したら、栽培系の一問一答で実際の問題形式に触れてみましょう。科と連作障害の関係は連作障害と輪作の基本、種のまき方の違いは種子の発芽と休眠でも解説しています。