畜産の一問一答(2級)
牛・豚・鶏の繁殖生理、飼料、家畜衛生、畜産物の生産などを3級より専門的に問う選択科目です。
本試験40問(選択科目の1つ)
現在 40問 を収録しています。何問解くか選んで始めましょう。
何問解きますか?
収録トピックを見る(40種類)
- ブタの繁殖
- 反芻胃の構造
- 乳房炎の診断
- 乳熱
- 妊娠維持ホルモン
- 豚熱(豚コレラ)
- ブタの品種特性
- 乳期と乳成分の変化
- 排卵前後のホルモン動態
- 牛の繁殖サイクル
- 人工授精
- 家畜の飼料区分
- 家畜伝染病予防法
- 鶏の産卵生理
- 反芻・ルーメン発酵
- 家畜の個体識別
- 豚の繁殖技術
- 乳牛の乾乳期管理
- 家畜排せつ物の処理
- アニマルウェルフェア
- 牛の分娩兆候
- 家畜の栄養要求量
- 肥育牛の枝肉格付け
- 豚の管理作業
- 鶏卵の品質
- 家畜の暑熱対策
- ケトーシス
- 牛の繁殖障害
- 飼料自給率
- 家畜共済制度
- 牛の品種
- 鶏の品種
- 初乳
- 肉用牛の去勢
- 子豚の貧血予防
- ボディコンディションスコア
- 鶏の消化器官
- TMR
- 第一胃アシドーシス
- 口蹄疫
畜産で学ぶこと
牛・豚・鶏の繁殖生理、飼料設計、家畜衛生、畜産物の生産技術が中心です。ホルモンの働きや代謝病の仕組みなど、3級の飼育知識よりも生理学・繁殖技術に踏み込んだ内容が問われます。
試験での重要度
畜産はホルモン名や数値(容量・日数など)を問う細かい知識問題が多く、丸暗記だけでは対応しにくい分野です。一方で仕組みを理解すれば選択肢の消去法が効きやすく、得点を安定させやすい面もあります。
初心者がつまずきやすいポイント
- ホルモンの名前(プロゲステロン・エストロジェン・LHなど)と働きの組み合わせを混同しやすい。
- 乳熱・ケトーシスなど代謝病は原因(カルシウム不足・エネルギー不足)を逆に覚えやすい。
- 品種ごとの産肉能力の特徴(増体・ロース芯・背脂肪)を混同しやすい。
学習の順番のおすすめ
- 牛の発情周期・排卵前後のホルモン動態の流れを時系列で理解する。
- 代表的な代謝病(乳熱・ケトーシス)の原因と予防策を整理する。
- 飼料の分類(粗飼料・濃厚飼料)と栄養指標(TDN等)を押さえる。
- 品種ごとの特徴を一覧表にして比較する。
基礎の復習におすすめの解説記事(3級)
公式資料・参考資料
出題範囲や最新の試験情報は 全国農業会議所の公式サイト、 体系的な学習には公式テキスト・過去問題集をあわせてご利用ください。
収録問題を読む(全40問)
タップすると正解と解説が読めます。まずはここでざっと目を通して、仕上げに上のクイズで実力チェックしましょう。
各問題には、正解の理由と他の選択肢が誤りとなる理由を掲載しています。問題を解いた後に解説を開いて確認してください。
問1 ブタの繁殖 雌ブタの繁殖供用を開始する適期に関する説明として、最も適切なものを選びなさい。
- 生後3〜4か月、体重50〜60kg程度から開始するのが望ましい
- 生後6〜7か月、体重100〜110kg程度から開始するのが望ましい
- ✅ 生後8〜9か月、体重120〜130kg程度から開始するのが望ましい
- 体重にかかわらず、初回発情のタイミングですぐに交配を開始するのが望ましい
- 繁殖供用の開始時期は成長や繁殖成績と無関係である
解説:雌ブタの繁殖供用開始適期は、一般に生後8〜9か月、体重120〜130kg程度が目安とされています。初回交配が早すぎると排卵数が少なく繁殖成績が良くない一方、遅すぎても受胎率の低下を招くことがあるため、成長段階に応じた適切なタイミングでの供用開始が重要です。
覚え方:雌ブタの繁殖適期=「8〜9か月・120〜130kg」が一つの目安。早すぎても遅すぎてもダメ。
問2 反芻胃の構造 搾乳牛(成牛)の第1胃(ルーメン)のおおよその容量として、最も適切なものを選びなさい。
- 約20リットル
- 約50リットル
- 約100リットル
- ✅ 約200リットル
- 約500リットル
解説:成牛の第1胃(ルーメン)は4つある胃の中で最も大きく、その容量はおおむね200リットル前後(品種・個体差はあるが100〜200リットル台)に達するとされています。ルーメン内には多種多様な微生物が生息し、牛が摂取した粗飼料(繊維質)の発酵・分解を担う重要な器官です。
覚え方:成牛のルーメン=ドラム缶に近いサイズ感、約200リットルと押さえる。
問3 乳房炎の診断 乳牛の乳房炎(特に外観に異常が出にくい潜在性乳房炎)を診断するために用いられる方法として、最も適切なものを選びなさい。
- アルコールテスト
- TDN測定
- SPF検査
- 官能試験(味や外観のみの確認)
- ✅ PLテスト(乳中の体細胞数等を反映する簡易検査)
解説:PLテスト(パールテストに類する乳房炎簡易検査)は、乳中の体細胞数の増加に反応する試薬を用いて乳のゲル化の程度を見ることで、外観からはわかりにくい潜在性乳房炎を簡便に判定する検査方法です。アルコールテストは乳の熱安定性(腐敗・異常乳の判定)、TDNは飼料の栄養価の指標、SPFは特定病原体を持たない家畜(無菌豚等)を指す用語で、乳房炎の診断法とは異なります。
覚え方:乳房炎の早期発見=「PLテスト」で体細胞数の異常を簡易チェック。
問4 乳熱 分娩後の乳牛に起こる「乳熱」の発生機序と予防に関する説明として、最も適切なものを選びなさい。
- ✅ 血液中のカルシウム濃度が急激に減少することで起立不能になる症状で、予防には分娩前のカルシウム給与量を減らすことが有効とされる
- 血液中のカルシウム濃度が急激に上昇することで起こる症状である
- 血液中のマグネシウム濃度の変化のみが原因であり、カルシウムは無関係である
- 乳熱は分娩とは無関係に、暑熱ストレスのみによって発生する症状である
- 乳熱の予防には、分娩前のカルシウム給与量を増やすことが有効とされる
解説:乳熱は、分娩直後に急激に始まる泌乳のために大量のカルシウムが乳中に持ち出され、血液中のカルシウム濃度が急激に低下することで、筋肉の働きが低下し起立不能などの症状を呈する代謝病です。予防としては、分娩前にあえてカルシウムの給与量を抑えることで、体が血中カルシウム濃度を維持する仕組み(骨からの動員やホルモン応答)を活性化させておく管理が有効とされています。
覚え方:乳熱の予防=分娩前は「カルシウムを減らして」体を鍛えておくのがコツ。
問5 妊娠維持ホルモン 雌牛の妊娠を維持する働きを持つホルモンとして、最も適切なものを選びなさい。
- エストロゲン
- 卵胞刺激ホルモン(FSH)
- プロスタグランジン
- オキシトシン
- ✅ プロゲステロン
解説:プロゲステロンは黄体から分泌されるホルモンで、子宮内膜の状態を維持して妊娠を継続させる働きを持ちます。エストロゲンは発情兆候の発現、卵胞刺激ホルモンは卵胞の発育促進、プロスタグランジンは黄体退行(妊娠していない場合の発情周期の進行)、オキシトシンは分娩時の陣痛や射乳に関わるホルモンであり、それぞれ役割が異なります。
覚え方:プロゲステロン=「妊娠を守る」黄体ホルモン。
問6 豚熱(豚コレラ) 豚熱(旧・豚コレラ)に関する説明として、最も適切なものを選びなさい。
- アフリカ豚熱と同一のウイルスが原因である
- ✅ ウイルスにより起こる豚・いのししの熱性伝染病で、強い伝染力と高い致死率が特徴である
- 家畜伝染病予防法の対象となる法定伝染病ではない
- 日本では明治期以降、昭和期を最後に発生がない
- 治療法が確立されており、発生しても大きな経済的影響はない
解説:豚熱(旧称:豚コレラ)は、豚熱ウイルスによって引き起こされる豚・いのししの熱性伝染病で、強い伝染力と高い致死率を特徴とします。家畜伝染病予防法上の対象疾病(法定伝染病)であり、発生時にはまん延防止のための移動制限や殺処分などの措置が取られます。病原体が異なるアフリカ豚熱(アフリカ豚コレラ)とは別のウイルスによる病気で、混同しないよう注意が必要です。
覚え方:豚熱とアフリカ豚熱=名前は似ていても「別のウイルス」による別の病気。
問7 ブタの品種特性 代表的なブタの品種の産肉能力に関する一般的な特徴の組み合わせとして、最も適切なものを選びなさい。
- 大ヨークシャー種は1日平均増体量が最も大きい傾向にある
- ✅ ランドレース種は1日平均増体量が最も大きい傾向にある
- デュロック種はロース芯が最も細い傾向にある
- バークシャー種は背脂肪層が最も薄い傾向にある
- 品種による産肉能力の違いは一切存在しない
解説:一般に、ランドレース種は1日平均増体量(成長の速さ)が大きい傾向、大ヨークシャー種はロース芯(背肉の断面)が太くなりやすい傾向、バークシャー種は背脂肪層が厚くなりやすい傾向があるとされます。これらは繁殖・交雑(三元交配等)による産肉能力の向上を図る上で、品種特性を理解しておくことが重要なポイントとなります。
覚え方:増体の速さ=ランドレース、ロース芯の太さ=大ヨークシャー、脂肪の厚さ=バークシャーと役割分担で覚える。
問8 乳期と乳成分の変化 乳牛の泌乳期における乳量・乳成分の一般的な変化として、最も適切なものを選びなさい。
- 分娩直後の乳量が最も多く、その後は一貫して増加し続ける
- ✅ 分娩直後は乳量が少なく、その後増加してピークを迎えたのち、泌乳末期に向けて徐々に減少していく
- 乳脂率は泌乳期間を通じて常に一定で、変動しない
- 乳量と乳成分(乳脂率・タンパク質率等)は互いにまったく関係がない
- 乳量は泌乳期間を通じて常に一定で、一切変動しない
解説:乳牛の泌乳曲線は、分娩直後はまだ乳量が少なく、その後数週間で急速に増加してピーク(泌乳最盛期)を迎え、その後は緩やかに減少しながら乾乳期に向かうのが一般的なパターンです。一方、乳脂率や無脂固形分率などの乳成分は、乳量がピークに近づくほど相対的に薄まる(低下する)傾向があるなど、乳量の変化と逆の動きを示すことが知られています。
覚え方:乳量=山型のカーブ、乳成分(脂率等)=乳量が多い時期はむしろ薄まる傾向。
問9 排卵前後のホルモン動態 牛の排卵前後のホルモン動態に関する説明として、最も適切なものを選びなさい。
- ✅ 排卵前に黄体から分泌されるプロゲステロン濃度が低下し、代わってエストロジェン濃度が上昇して発情兆候が現れ、その後LH(黄体形成ホルモン)の一過性の放出後に排卵が起こる
- 排卵はプロゲステロン濃度の上昇のみによって直接引き起こされる
- 発情兆候はエストロジェンとは無関係に現れる
- LH(黄体形成ホルモン)は排卵にまったく関与しない
- 排卵前後、いずれのホルモンも濃度変化を示さない
解説:牛の発情周期では、排卵前に黄体が退行してプロゲステロン濃度が低下し、それに伴って卵胞から分泌されるエストロジェン濃度が上昇して発情兆候(外部徴候)が現れます。その後、エストロジェンの上昇を受けて下垂体からLH(黄体形成ホルモン)が一過性に大量放出(LHサージ)され、これが引き金となって排卵が起こるという一連のホルモン動態が知られています。
覚え方:排卵の順番=プロゲステロン低下→エストロジェン上昇(発情)→LHサージ→排卵。
問10 牛の繁殖サイクル 牛の発情周期(発情から次の発情までの日数)のおおよその長さとして、最も適切なものを選びなさい。
- 約7日
- 約14日
- ✅ 約21日
- 約35日
- 約60日
解説:牛の発情周期は、妊娠していない場合、平均しておおむね21日前後(個体差はあるがおよそ18〜24日程度)で繰り返されます。この周期を把握しておくことは、発情の見逃しを防ぎ、適切なタイミングでの人工授精を行う上で繁殖管理上の基本となる知識です。
覚え方:牛の発情周期=「約3週間(21日)」で1サイクルと覚える。
問11 人工授精 家畜の人工授精(AI)に関する説明として、最も適切なものを選びなさい。
- ✅ 優良な種雄の精液を効率的に多くの雌に利用でき、遺伝的改良を進めやすい利点がある
- 自然交配に比べて、遺伝的な改良効果は一切期待できない
- 人工授精には精液の凍結保存技術は一切利用されていない
- 人工授精は、発情のタイミングとは無関係にいつでも同じ確率で受胎する
- 人工授精は牛にのみ利用でき、豚など他の家畜には適用できない技術である
解説:人工授精(AI:Artificial Insemination)は、優良な形質を持つ種雄(種雄牛・種雄豚等)の精液を凍結保存・輸送し、多くの雌に効率的に授精させることができる技術で、家畜の遺伝的改良を計画的に進める上で重要な役割を果たしています。牛だけでなく豚など他の家畜でも広く利用されており、受胎率は発情のタイミングに合わせた適切な授精時期の見極めに大きく左右されます。
覚え方:人工授精=優良な種雄の遺伝子を「広く効率的に」行き渡らせる技術。
問12 家畜の飼料区分 家畜の飼料における「粗飼料」と「濃厚飼料」の説明として、最も適切なものを選びなさい。
- ✅ 粗飼料は牧草やわら等の繊維質に富む飼料、濃厚飼料は穀類等のエネルギー・タンパク質含量が高い飼料を指す
- 粗飼料と濃厚飼料は、まったく同じ栄養特性を持つ飼料の別名にすぎない
- 濃厚飼料は反芻動物には給与できない飼料区分である
- 粗飼料は必ず輸入品のみで、国産の飼料は含まれない
- 濃厚飼料には一切の穀類を含まない
解説:粗飼料は、牧草やサイレージ、稲わらなど繊維質(粗繊維)に富む飼料を指し、特に反芻動物のルーメン発酵に重要な役割を果たします。濃厚飼料は、トウモロコシや大豆粕などの穀類・油かす類のように、エネルギーやタンパク質の含量が高く繊維質の少ない飼料を指します。両者をバランス良く給与することが、家畜の健康と生産性の維持に重要です。
覚え方:粗飼料=繊維たっぷりの「かさ」、濃厚飼料=栄養が「濃い」穀物系。
問13 家畜伝染病予防法 家畜伝染病予防法の目的として、最も適切なものを選びなさい。
- 家畜の飼料価格の安定のみを目的とする法律である
- ✅ 家畜の伝染性疾病の発生を予防し、まん延を防止することで畜産の振興を図ることを目的とする法律である
- 家畜の品種登録のみを目的とする法律である
- 家畜の輸出のみを規制する法律である
- 家畜の飼育頭数の上限を一律に定める法律である
解説:家畜伝染病予防法は、家畜の伝染性疾病(法定伝染病・届出伝染病等)の発生を予防し、万一発生した場合にはまん延を防止するための措置(移動制限、殺処分、消毒等)を定めることで、畜産の振興と公衆衛生の確保を図ることを目的とした法律です。飼料価格の安定や品種登録、輸出規制、飼育頭数の上限設定を直接の目的とした法律ではありません。
覚え方:家畜伝染病予防法=「病気の発生予防」と「まん延防止」が2本柱。
問14 鶏の産卵生理 鶏の産卵に関する一般的な説明として、最も適切なものを選びなさい。
- 鶏は雄鶏と交尾しなければ、無精卵すら産むことができない
- ✅ 鶏は日長(光周期)の影響を受けて産卵率が変化する傾向があり、一般に長日条件で産卵が促進されやすい
- 鶏の産卵には日長は一切関係せず、常に一定の産卵率を保つ
- 鶏の卵は受精の有無にかかわらず、色や大きさが必ず一致する
- 鶏は年齢にかかわらず、産卵率は常に一定である
解説:鶏は雄鶏と交尾しなくても無精卵を産むことができますが、日長(光周期)に対する感受性が高く、一般に日長が長くなる(明期が長い)条件で産卵が促進されやすい傾向があります。このため採卵鶏の生産現場では、人工照明によって日長をコントロールし、季節にかかわらず安定した産卵率を維持する管理が行われています。産卵率は鶏の日齢・週齢によっても変化します。
覚え方:鶏の産卵=「日が長いほど」促進されやすい。照明管理で人為的にコントロール。
問15 反芻・ルーメン発酵 牛のルーメン(第1胃)内での微生物発酵に関する説明として、最も適切なものを選びなさい。
- ルーメン内には微生物がほとんど存在せず、消化は主に胃酸のみによって行われる
- ✅ ルーメン内の微生物が繊維質(セルロース等)を発酵分解し、揮発性脂肪酸などを生成して牛のエネルギー源となる
- ルーメン発酵は牛の健康や栄養にまったく関与しない現象である
- ルーメン内の微生物は、濃厚飼料のみを分解し繊維質は分解できない
- ルーメン発酵は牛特有ではなく、単胃動物であるブタにも同様に存在する主要な消化様式である
解説:牛などの反芻動物のルーメン(第1胃)には、細菌・原虫・真菌など多様な微生物が共生しており、牛自身では消化できない繊維質(セルロース等)を発酵分解します。この過程で生成される揮発性脂肪酸(酢酸・プロピオン酸・酪酸等)が、牛にとって重要なエネルギー源として吸収・利用されます。これは反芻動物特有の消化様式で、単胃動物のブタとは異なります。
覚え方:ルーメン発酵=牛が持つ「体内発酵タンク」。微生物が繊維をエネルギーに変える。
問16 家畜の個体識別 牛の個体識別のための耳標(イヤータグ)に関する説明として、最も適切なものを選びなさい。
- ✅ 耳標には10桁の個体識別番号が記載され、牛肉トレーサビリティ制度の基盤となっている
- 耳標は任意で装着するもので、装着していなくても法律上問題はない
- 耳標は豚・鶏を含むすべての家畜に共通した10桁番号を付与する仕組みである
- 耳標には個体識別番号は記載されず、農場名のみが記載される
- 耳標は繁殖成績のみを記録する目的で装着される
解説:牛の耳標(イヤータグ)には、その牛を一意に識別するための10桁の個体識別番号が記載されており、出生(輸入)から飼養、と畜、流通に至るまでの情報を追跡できる牛肉トレーサビリティ制度の基盤となっています。牛肉トレーサビリティ法に基づき、対象となる牛への耳標装着は義務付けられています。
覚え方:牛の耳標=10桁番号でトレーサビリティを支える「身分証」。
問17 豚の繁殖技術 豚の繁殖における「発情同期化」の説明として、最も適切なものを選びなさい。
- ✅ 複数の雌豚の発情のタイミングを薬剤等によりそろえ、人工授精や分娩の管理を計画的に行いやすくする技術である
- 雌豚の発情を完全に停止させ、繁殖そのものをできなくする技術である
- 発情同期化は雄豚にのみ適用される技術である
- 発情同期化を行うと、繁殖成績は必ず低下する
- 発情同期化は、飼料の給与量とはまったく関係のない技術である
解説:発情同期化は、ホルモン剤等を用いて複数の雌豚の発情のタイミングをそろえる技術で、これにより人工授精や分娩のスケジュールをまとめて計画的に管理でき、飼養管理や労働の効率化につながります。雌豚の繁殖能力自体を停止させる技術ではなく、むしろ繁殖管理の計画性を高めることを目的としています。
覚え方:発情同期化=繁殖の「タイミングをそろえて」まとめて管理しやすくする技術。
問18 乳牛の乾乳期管理 乳牛の「乾乳期」の説明として、最も適切なものを選びなさい。
- ✅ 分娩前の一定期間、搾乳を休止して乳腺組織の回復や次の泌乳に備える期間のことである
- 乳量が最も多くなる泌乳最盛期のことである
- 分娩直後から搾乳を開始するまでの数時間を指す用語である
- 乾乳期は繁殖成績や次産の乳量にまったく影響しない
- 乾乳期には給与する飼料の種類・量を一切変える必要がない
解説:乾乳期は、分娩予定日の前のおよそ2か月程度を目安に搾乳を休止し、乳腺組織を回復させるとともに、胎児の発育や次の泌乳期に向けた体力の蓄積を図る重要な期間です。この期間の栄養管理(過肥や栄養不足を避ける等)は、分娩後の乳熱などの代謝病の発生リスクや、次産の乳量・繁殖成績にも影響するため、適切な飼料設計が求められます。
覚え方:乾乳期=出産前の「充電期間」。搾乳を休んで次の泌乳に備える。
問19 家畜排せつ物の処理 家畜排せつ物の処理・利用に関する説明として、最も適切なものを選びなさい。
- 家畜排せつ物は、いかなる処理も行わずそのまま河川に放流することが認められている
- ✅ 堆肥化などの適切な処理を経て、農地への還元(有機質肥料としての利用)が図られている
- 家畜排せつ物の処理・保管に関する法的な基準は存在しない
- 家畜排せつ物は、焼却処分以外の方法での利用は認められていない
- 家畜排せつ物はすべて産業廃棄物として処理しなければならず、堆肥としての利用は認められていない
解説:家畜排せつ物は、家畜排せつ物法(家畜排せつ物の管理の適正化及び利用の促進に関する法律)に基づき、野積み・素掘りといった不適切な管理が規制され、堆肥化などの適切な処理を経て農地への還元(有機質肥料としての利用)や、近年ではバイオガス発電の原料としての利用も図られています。未処理のまま河川へ放流することは認められていません。
覚え方:家畜排せつ物=「堆肥化して農地に還す」のが基本の資源循環。
問20 アニマルウェルフェア 畜産におけるアニマルウェルフェア(家畜福祉)の考え方として、最も適切なものを選びなさい。
- 家畜の生産性を無視し、生産量を犠牲にしてでも完全に自然の状態で飼育することを求める考え方である
- ✅ 家畜が快適な環境の中でストレスや苦痛を最小限に抑えて飼育されるよう配慮する考え方である
- アニマルウェルフェアは家畜の品種改良とは無関係の概念である
- アニマルウェルフェアは日本国内では法令・指針等で一切考慮されていない概念である
- アニマルウェルフェアは家畜の疾病予防と完全に無関係な考え方である
解説:アニマルウェルフェア(家畜福祉)は、家畜が飢え・渇き・不快・痛み・恐怖・ストレスなどから解放され、快適な環境の中で本来の行動要求が満たされるよう配慮する考え方です。生産性を完全に無視するものではなく、適切な飼養環境の整備が家畜の健康維持や生産性の安定にもつながるとされ、国内外で関連する指針・基準の整備が進められています。
覚え方:アニマルウェルフェア=「家畜のストレスを減らす」ことを重視する飼養の考え方。
問21 牛の分娩兆候 牛の分娩が近づいた際に見られる一般的な兆候として、最も適切なものを選びなさい。
- 乳房の張りが完全になくなる
- ✅ 骨盤靭帯がゆるみ、尾根部のくぼみが目立つようになる
- 食欲が異常に増進し、活動量も著しく増加する
- 体温が分娩直前に急激に上昇し続ける
- 分娩の兆候は個体差なく、すべての牛で同一の日数前に現れる
解説:牛の分娩が近づくと、骨盤周囲の靭帯がゆるみ、尾根部(尾の付け根)の両側にくぼみが目立つようになる「腰角の落ち込み」と呼ばれる兆候が見られることが多く、分娩が近いサインとして観察されます。あわせて乳房の張りの増大、外陰部の腫大・弛緩、体温の低下(分娩直前に一時的に下がる個体が多い)なども一般的な分娩兆候として知られています。
覚え方:分娩兆候=「尾根部のくぼみ」が目立ってきたら出産が近いサイン。
問22 家畜の栄養要求量 家畜の飼料設計における「TDN」の説明として、最も適切なものを選びなさい。
- 飼料中に含まれるビタミンの総量を表す指標である
- ✅ 飼料の可消化養分総量を表し、エネルギー価の指標として用いられる
- 飼料中の水分含量のみを表す指標である
- 飼料の価格を表す経済的指標である
- 飼料の色を数値化した指標である
解説:TDN(Total Digestible Nutrients:可消化養分総量)は、飼料中の消化可能な養分(可消化炭水化物、可消化粗タンパク質、可消化粗脂肪等)を合算した値で、飼料のエネルギー価を表す代表的な指標として飼料設計に広く用いられています。ビタミン量や水分含量、価格、色とは異なる、エネルギー面での飼料の質を評価する指標です。
覚え方:TDN=飼料の「エネルギーの豊富さ」を表す代表的な指標。
問23 肥育牛の枝肉格付け 国内の牛枝肉の格付けにおいて評価される項目として、最も適切なものを選びなさい。
- 生体重のみで格付けが決まる
- ✅ 歩留(ぶどまり)等級と肉質等級(脂肪交雑・肉の色沢等)の両面から評価される
- 飼育した農場の名称のみで格付けが決まる
- 出荷までの日齢のみで格付けが決まる
- 格付けは飼料の銘柄のみで機械的に決定される
解説:国内の牛枝肉格付けは、枝肉から得られる食肉部分の割合を評価する「歩留等級」(A〜Cで表示)と、脂肪交雑(霜降りの度合い)、肉の色沢、締まり・きめ、脂肪の色沢等を総合的に評価する「肉質等級」(1〜5等級)の両面から判定されます。有名な「A5」等級はこの歩留等級と肉質等級を組み合わせた表示です。
覚え方:枝肉格付け=「歩留(A〜C)」×「肉質(1〜5)」の掛け合わせ表示(A5等)。
問24 豚の管理作業 子豚に対して行われる「去勢」の主な目的として、最も適切なものを選びなさい。
- 成長速度を著しく速めるため
- ✅ 雄特有の臭い(ボア・タイント)の発生を抑え、肉質を改善するため
- 繁殖能力を高めるため
- 病気への抵抗性を高めるため
- 毛色を変化させるため
解説:子豚(雄)に対する去勢は、性成熟に伴って発生しやすくなる雄特有の臭い(ボア・タイントと呼ばれる異臭)を抑え、食肉としての肉質・風味を改善することを主な目的として行われます。繁殖に用いない肥育用の雄豚に対して一般的に実施される管理作業で、成長速度の向上や病気抵抗性の向上、毛色の変化を目的とした処置ではありません。
覚え方:子豚の去勢=「肉の臭み対策」が主目的。成長促進が目的ではない。
問25 鶏卵の品質 鶏卵の品質評価に用いられる「卵黄係数」の説明として、最も適切なものを選びなさい。
- 卵殻の厚さを測定する指標である
- ✅ 卵黄の高さを卵黄の直径で割った値で、新鮮さの目安として用いられる
- 卵白の量のみを表す指標である
- 卵の重量そのものを表す指標である
- 卵殻の色を数値化した指標である
解説:卵黄係数は、卵を割った際の卵黄の高さを卵黄の直径で割った値で、新鮮な卵ほど卵黄が盛り上がって係数が高く、古くなるにつれて卵黄が広がって係数が低下する傾向があるため、鶏卵の鮮度・品質を評価する指標の一つとして利用されます。卵殻の厚さや色、卵の重量とは異なる評価項目です。
覚え方:卵黄係数=「卵黄の盛り上がり具合」で鮮度を判定する指標。
問26 家畜の暑熱対策 夏季の乳牛における暑熱ストレス対策として、最も適切なものを選びなさい。
- 牛舎の換気を止め、風を完全に遮断する
- ✅ 送風機(ファン)による通風や細霧(ミスト)による気化冷却などを組み合わせて牛体の体感温度を下げる
- 飼料の給与を完全に停止する
- 暑熱対策は乳量や繁殖成績に一切影響しないため、特別な対応は不要である
- 牛舎内の湿度を意図的にさらに高める
解説:乳牛は暑熱ストレスに弱く、高温環境下では採食量の低下や乳量・繁殖成績の低下につながるため、送風機による通風と細霧(ミスト)による気化熱を利用した冷却を組み合わせるなどの暑熱対策が広く行われています。換気の停止や湿度の上昇はかえって暑熱ストレスを悪化させる要因になります。
覚え方:暑熱対策=「風」と「霧(気化熱)」の組み合わせが基本の冷却テクニック。
問27 ケトーシス 分娩後の高泌乳牛で発生しやすい代謝病「ケトーシス」の説明として、最も適切なものを選びなさい。
- 血液中のカルシウム濃度の急激な低下によって起こる病気である
- ✅ 泌乳のためのエネルギー要求量に対して摂取エネルギーが不足し、体脂肪の分解が過剰に進んでケトン体が蓄積する代謝病である
- 外部からの細菌感染によって起こる伝染病である
- ウイルス感染によって起こる病気である
- ケトーシスは乳量の少ない牛にのみ発生し、高泌乳牛には発生しない
解説:ケトーシスは、分娩後の高泌乳期に泌乳のためのエネルギー要求量が急増する一方、採食量の回復が追いつかずエネルギー不足(負のエネルギーバランス)に陥り、体脂肪の分解が過剰に進むことで血液中にケトン体が蓄積し、食欲不振や神経症状などを引き起こす代謝病です。カルシウム不足による乳熱とは異なる病態で、分娩前後の適切な飼料設計(エネルギー確保)が予防のポイントになります。
覚え方:ケトーシス=「泌乳のエネルギー不足」で体脂肪を分解しすぎた結果起こる代謝病。
問28 牛の繁殖障害 牛の繁殖障害の一つである「卵巣嚢腫」の説明として、最も適切なものを選びなさい。
- ✅ 卵巣に発育した卵胞が正常に排卵せず、嚢腫状(液体をためた袋状)に残存してしまい、正常な発情周期が乱れる状態である
- 子宮内に細菌が感染し、化膿性の炎症が起こる状態のことである
- 卵巣そのものが完全に欠損してしまう先天的な異常のことである
- 乳房に嚢腫が生じ、乳量が増加する状態のことである
- 卵巣嚢腫は繁殖成績にまったく影響を及ぼさない良性の変化である
解説:卵巣嚢腫は、卵巣内で発育した卵胞が正常に排卵に至らず、液体を含んだ嚢腫状の構造として卵巣に残ってしまう状態で、発情周期の乱れ(発情の持続や無発情等)や受胎率の低下といった繁殖成績への悪影響を引き起こす代表的な繁殖障害の一つです。ホルモン剤による治療(排卵誘起処置等)が行われることがあります。
覚え方:卵巣嚢腫=「排卵できずに残った卵胞」が発情周期を狂わせる原因に。
問29 飼料自給率 日本の畜産における「飼料自給率」に関する説明として、最も適切なものを選びなさい。
- 飼料自給率は常に100%を維持しており、輸入飼料には依存していない
- ✅ 濃厚飼料の多くを輸入に依存しており、飼料全体の自給率は粗飼料に比べて低い水準にとどまっている
- 飼料自給率の向上は畜産経営や食料安全保障とは無関係な指標である
- 国産飼料の利用拡大に向けた取り組みは行われていない
- 飼料自給率は食料自給率の計算にまったく影響しない
解説:日本の畜産では、トウモロコシなどの濃厚飼料の多くを海外からの輸入に依存しており、粗飼料(国産の牧草・稲わら等)に比べて濃厚飼料を含めた飼料全体の自給率は低い水準にとどまっています。このため、国産飼料(飼料用米・飼料作物等)の生産拡大や自給飼料の増産は、食料安全保障や畜産経営の安定の観点からも重要な政策課題として位置づけられています。
覚え方:飼料自給率=「濃厚飼料は輸入頼み」という日本畜産の構造的な課題。
問30 家畜共済制度 家畜を対象とする農業共済(家畜共済)の説明として、最も適切なものを選びなさい。
- ✅ 家畜の死亡や病傷(治療費)等による損失を補償する仕組みで、対象家畜の種類ごとに共済掛金や補償内容が定められている
- 家畜共済は肉牛のみを対象とし、乳牛や豚は対象外である
- 家畜共済に加入すると、飼料費の全額が補償される
- 家畜共済は収入保険と重複して同一家畜に加入することが義務付けられている
- 家畜共済は青色申告を行っている農業者のみが加入できる制度である
解説:家畜共済は、農業保険制度(旧・農業災害補償制度)の一環として、家畜の死亡や病気・けがによる損失(治療費等を含む)を補償する仕組みで、牛・豚等の対象家畜の種類ごとに共済掛金や補償の内容が定められています。青色申告の実績を必須とする収入保険とは異なる制度であり、加入対象や補償の仕組みも異なります。
覚え方:家畜共済=「死亡・病傷」による損失を補償する、家畜向けの伝統的な保険制度。
問31 牛の品種 牛の品種とその主な特徴の組み合わせとして、最も適切なものを選びなさい。
- ジャージー種はホルスタイン種より乳量が多く、乳脂肪率は低い
- 黒毛和種は乳量が多く、乳用種として飼われている
- ホルスタイン種は乳脂肪率が最も高い品種である
- ホルスタイン種は日本の代表的な肉専用種である
- ✅ ジャージー種は乳量はホルスタイン種より少ないが、乳脂肪率が高い
解説:ホルスタイン種は白黒まだらの乳用種で、乳量が多く日本の乳牛の大部分を占めます。ジャージー種は小型の乳用種で、乳量は少ないものの乳脂肪率や乳たんぱく質率が高く、濃厚な牛乳になります。黒毛和種は日本の肉用牛の代表で、脂肪交雑(霜降り)が入りやすい特徴があります。
覚え方:ジャージー=量は少ないが濃い乳。
問32 鶏の品種 鶏の品種と用途の組み合わせとして、最も適切なものを選びなさい。
- ブロイラーは卵を多く産むように改良された品種である
- ロードアイランドレッド種は観賞用の品種である
- ✅ 白色レグホーン種は卵用種で、白い殻の卵を多く産む
- 名古屋種は卵用専用種で、肉には利用しない
- 白色レグホーン種は肉用種で、ブロイラーの代表品種である
解説:白色レグホーン種は代表的な卵用種で、白い殻の卵を多く産みます。ロードアイランドレッド種は褐色の殻の卵を産み、卵肉兼用種としても使われます。名古屋種(名古屋コーチン)は卵肉兼用種です。ブロイラーは特定の1品種ではなく、短期間で大きく育つように交配した肉用鶏の総称です。
覚え方:白色レグホーン=白い卵の量産型。
問33 初乳 子牛に生後早い時期に初乳を飲ませる理由として、最も適切なものを選びなさい。
- 初乳は脂肪が少なく、子牛の体重増加を抑えるため
- 初乳は出荷できないので、処分するかわりに飲ませるため
- 初乳を飲ませると、子牛の第一胃が大きくなるため
- 初乳を飲ませると、子牛が反すうを早く始めるため
- ✅ 初乳に含まれる免疫グロブリン(抗体)を吸収させ、病気への抵抗力をつけるため
解説:子牛は母牛の胎盤を通して抗体をほとんど受け取れないため、生まれたあと初乳に含まれる免疫グロブリンを腸から吸収することで、病気への抵抗力(移行抗体)を得ます。抗体を吸収できる能力は生後時間がたつにつれて急速に低下するため、生後できるだけ早く(目安として数時間以内)十分な量の初乳を飲ませることが重要です。
覚え方:初乳は子牛の「最初のワクチン」。早く飲ませる。
問34 肉用牛の去勢 肉用の雄牛を去勢する主な目的として、最も適切なものを選びなさい。
- 体重を早く増やして、筋肉だけを大きくする
- 病気にかからないようにする
- 乳量を増やして、乳用として利用する
- ✅ 性質をおとなしくして管理しやすくし、肉質(脂肪交雑など)を向上させる
- 雄牛を繁殖用として使えるようにする
解説:肉用の雄牛は、去勢することで性質がおとなしくなり、群で飼いやすくなります。また、脂肪交雑(霜降り)が入りやすくなり、肉質が向上します。雄のままの牛(雄牛)は発育は早いものの、肉が硬めになり脂肪交雑が入りにくい傾向があります。去勢は痛みやストレスを伴うため、適切な時期と方法で行うことが求められます。
覚え方:去勢=おとなしく、霜降りが入りやすく。
問35 子豚の貧血予防 生後間もない子豚に鉄剤を注射する理由として、最も適切なものを選びなさい。
- 鉄剤を注射すると、子豚の歯が早く生えるため
- ✅ 母乳に含まれる鉄が少なく、子豚が鉄欠乏性の貧血になりやすいため
- 子豚の体温を上げて、寒さを防ぐため
- 母豚の乳量を増やすため
- 子豚の性別を判定するため
解説:子豚は生まれたときの体内の鉄の蓄えが少なく、母乳からも十分な鉄をとれないうえ、成長が速いため、鉄欠乏性の貧血になりやすい性質があります。コンクリート床の豚舎では土から鉄をとることもできないため、生後数日以内に鉄剤を注射(または経口投与)して予防するのが一般的です。
覚え方:子豚は鉄不足になりやすい→生後すぐ鉄剤。
問36 ボディコンディションスコア 乳牛の管理で用いるボディコンディションスコア(BCS)の説明として、最も適切なものを選びなさい。
- 枝肉の脂肪交雑を評価する格付けの数値
- 牛の性格のおとなしさを点数化したもの
- ✅ 腰やしっぽの付け根などの肉付きを見たり触ったりして、栄養状態(脂肪の蓄積度合い)を点数化したもの
- 牛の体重を体格から推定した数値
- 1日の乳量を点数化したもの
解説:BCSは、腰角、坐骨、しっぽの付け根などの肉付きを観察・触診して、牛の栄養状態(体脂肪の蓄積度合い)を点数で表す方法です。乳牛では、分娩時にやせすぎや太りすぎにならないよう、泌乳ステージに応じた適正な範囲に保つことが、繁殖成績や代謝病の予防につながります。
覚え方:BCS=見て触ってわかる「太りぐあい」の点数。
問37 鶏の消化器官 鶏の消化器官の特徴として、最も適切なものを選びなさい。
- 歯が発達しており、飼料を口でよくかんで消化する
- そのうで消化液を出し、たんぱく質を完全に分解する
- ✅ 歯がないため、筋胃(砂肝)で飲み込んだ小石とともに飼料をすりつぶす
- 胃が4つあり、反すうして飼料をかみ直す
- 盲腸がなく、小腸だけで消化を行う
解説:鶏には歯がないため、飲み込んだ飼料はまず食道の一部がふくらんだ「そのう」にためられ、腺胃で消化液と混ぜられたあと、厚い筋肉でできた筋胃(砂肝)で、飲み込んだ小石(グリット)とともにすりつぶされます。反すうをして胃が4つあるのは牛など反すう動物の特徴です。
覚え方:鶏は歯の代わりに砂肝ですりつぶす。
問38 TMR 乳牛の飼養で使われるTMR(混合飼料)の説明として、最も適切なものを選びなさい。
- 乾草を細かく切っただけの飼料
- 子牛用の代用乳のこと
- 濃厚飼料だけを固めてつくった固形飼料
- 放牧地の牧草だけを与える飼い方
- ✅ 粗飼料と濃厚飼料などを必要な栄養バランスで混ぜ合わせ、牛が自由に食べられるようにした飼料
解説:TMR(Total Mixed Ration)は、粗飼料・濃厚飼料・ミネラルなどを、牛に必要な栄養バランスになるよう全部混ぜ合わせた飼料です。牛が好きなものだけを選んで食べる「選び食い」を防ぎ、第一胃内の発酵を安定させやすい利点があります。地域でTMRをつくって農家に供給するTMRセンターも各地にあります。
覚え方:TMR=全部混ぜ。選び食いを防ぐ。
問39 第一胃アシドーシス 牛の第一胃アシドーシスの主な原因として、最も適切なものを選びなさい。
- 冬の寒さで体温が下がること
- 放牧で運動量が多くなること
- ✅ 穀類など、でんぷんの多い濃厚飼料を急に多く与えて、第一胃内が酸性に傾くこと
- 飲み水を多く与えすぎること
- 乾草など粗飼料を十分に与えすぎること
解説:第一胃アシドーシスは、でんぷんの多い濃厚飼料を急に多量に与えたときに、第一胃内で乳酸などの酸が急増し、内部が酸性に傾く病気です。食欲不振、下痢、乳脂肪率の低下などが起こり、蹄葉炎の原因にもなります。粗飼料を十分に与えて反すうを促し、唾液による中和を保つこと、飼料を急に切り替えないことが予防の基本です。
覚え方:濃厚飼料のドカ食い→胃が酸っぱくなる(アシドーシス)。
問40 口蹄疫 口蹄疫について、最も適切なものを選びなさい。
- 人から家畜にだけ感染する寄生虫病である
- 馬だけがかかる病気である
- ✅ 牛・豚などの偶蹄類がかかる伝染力の非常に強いウイルス病で、家畜伝染病予防法の法定伝染病である
- 鶏だけがかかる細菌性の病気である
- 伝染力が弱く、発生しても移動制限などは行われない
解説:口蹄疫は、牛・豚・めん羊・山羊など、ひづめが2つに割れた偶蹄類がかかるウイルス病で、口やひづめの周りに水ぶくれができます。伝染力が非常に強く、家畜伝染病予防法の家畜伝染病(法定伝染病)に指定されています。発生時には、殺処分や移動制限など厳しいまん延防止措置がとられ、日本でも2010年に宮崎県で大きな被害が出ました。
覚え方:口と蹄に水ぶくれ。偶蹄類の法定伝染病。
他の分野(2級)
共通(農業一般)
全受験者が解く必須分野。農業政策・農業経営、農業簿記、農地制度など、3級よりも制度・実務に踏み込んだ内容を問います。
作物
イネ・ムギ・ダイズなど土地利用型作物の栽培管理、病害虫、種苗、農薬の使用計算などを問う選択科目です。
野菜
トマト・キュウリ・ダイコンなど野菜類の栽培技術、養液栽培、生理障害、病害虫防除などを問う選択科目です。
花き
キク・カーネーション・ラン類など花き類の栽培、植物成長調整剤、切り花障害などを問う選択科目です。
果樹
リンゴ・ブドウ・カンキツなど果樹類の栽培管理、受粉・受精、せん定、生理障害などを問う選択科目です。
食品
農産物加工・食品製造の原理、発酵、製造工程、成分・添加物などを3級より専門的に問う選択科目です。
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