果樹の一問一答(2級)
リンゴ・ブドウ・カンキツなど果樹類の栽培管理、受粉・受精、せん定、生理障害などを問う選択科目です。
本試験40問(選択科目の1つ)
現在 40問 を収録しています。何問解くか選んで始めましょう。
何問解きますか?
収録トピックを見る(40種類)
- 果樹の受粉様式
- 果樹の連作障害
- 訪花昆虫
- 落葉果樹の花芽分化
- ブドウの無核化処理
- ブドウの短梢せん定
- カンキツの浮き皮
- リンゴの蜜入り
- 果実の貯蔵性向上技術
- 落葉果樹の人工受粉
- 果樹の摘果
- 隔年結果
- 果樹の台木利用
- 果樹の整枝法
- ブドウの着色管理
- カンキツの貯蔵病害
- モモの摘蕾・摘果
- カキの脱渋
- 果樹の霜害対策
- せん定枝の処理
- 果実肥大期の水分管理
- 果樹の休眠打破
- 果樹の施肥
- リンゴの品種特性
- ブドウの仕立て方
- 果樹の微量要素欠乏
- 果樹の病害
- 果樹の接ぎ木
- 果樹の環状はく皮
- 果樹の防除歴
- 果樹の結果習性
- 生理落果
- 果実の日焼け
- 根域制限栽培
- キウイフルーツの雌雄異株
- 甘ガキと渋ガキ
- 果実の糖度測定
- シンクイムシ類
- 縮伐と間伐
- ブドウの花穂整形
果樹で学ぶこと
リンゴ・ブドウ・カンキツ・モモなど果樹類の栽培管理が中心です。受粉・受精の仕組み、せん定方法、生理障害、貯蔵技術など、樹を長期的に管理する果樹特有の視点が問われます。
試験での重要度
果樹は自家不和合性や隔年結果など、他の作物にはない果樹特有の生理現象の理解が得点を左右します。用語の意味を正しく押さえれば、選択肢のひっかけに惑わされにくくなります。
初心者がつまずきやすいポイント
- 「自家不和合性」と「他家(交雑)不和合性」を逆に覚えてしまいやすい。
- 花芽分化の開始時期は「咲く前年の夏」からという時間感覚を見落としやすい。
- 植物成長調整剤(ジベレリン・1-MCPなど)は果樹ごとの用途(無核化・貯蔵性向上等)を混同しやすい。
学習の順番のおすすめ
- 自家不和合性・他家不和合性・隔年結果など果樹特有の生理現象を理解する。
- 花芽分化の時期とせん定・施肥のタイミングの関係を整理する。
- 果樹ごとの植物成長調整剤の使い分けを表でまとめる。
- 主要な病害(黒星病・浮き皮など)と発生条件をセットで覚える。
基礎の復習におすすめの解説記事(3級)
公式資料・参考資料
出題範囲や最新の試験情報は 全国農業会議所の公式サイト、 体系的な学習には公式テキスト・過去問題集をあわせてご利用ください。
収録問題を読む(全40問)
タップすると正解と解説が読めます。まずはここでざっと目を通して、仕上げに上のクイズで実力チェックしましょう。
各問題には、正解の理由と他の選択肢が誤りとなる理由を掲載しています。問題を解いた後に解説を開いて確認してください。
問1 果樹の受粉様式 「自家不和合性」の説明として、最も適切なものを選びなさい。
- ✅ 同一品種の花粉を受粉しても結実しない性質のことである
- 特定の他品種の花粉を受粉しても結実しない性質のことである
- いかなる花粉を受粉しても必ず結実する性質のことである
- 花粉をまったく作らない品種の性質のことである
- 受粉の有無にかかわらず、単為結果する性質のことである
解説:自家不和合性は、同一品種(自身、あるいは遺伝的に同一な個体)の花粉を受粉しても結実しない性質を指します。特定の他品種の花粉で結実しない性質は「他家(交雑)不和合性」と呼ばれ、両者は混同しやすいので注意が必要です。自家不和合性の強い果樹では、異なる品種を混植して授粉樹を確保することが結実のために重要になります。
覚え方:自家不和合性=「自分の花粉ではダメ」。だから違う品種を隣に植える。
問2 果樹の連作障害 果樹園の改植(古い樹を新しい苗木に植え替えること)を行う際に、連作障害(忌地)が発生しやすい果樹として、最も適切なものを選びなさい。
- カキ
- クリ
- ブドウ
- レモン
- ✅ モモ
解説:モモは同じ場所での改植(連作)を行うと、前作の根に由来する生育阻害物質の蓄積や特定病害虫の密度上昇などにより、新しく植えた苗木の生育不良(忌地障害)が起こりやすい果樹として知られています。改植を行う場合は、土壌の入れ替えや客土、一定期間の休閑など、忌地対策を講じることが重要です。
覚え方:モモの改植=「同じ場所に植え替え」は要注意。忌地障害が出やすい代表格。
問3 訪花昆虫 リンゴやオウトウ(サクランボ)の結実確保のために導入される訪花昆虫として、最も適切なものを選びなさい。
- ミツバチ
- マルハナバチ
- ✅ マメコバチ(ツツハナバチ)
- アシナガバチ
- スズメバチ
解説:マメコバチ(ツツハナバチの一種)は、低温期でも活動しやすく単独で行動する性質から、開花時期が早く気温がまだ低いことの多いリンゴやオウトウ(サクランボ)の結実確保のための訪花昆虫として導入されることが多い昆虫です。ミツバチも訪花昆虫として広く利用されますが、低温期の活動性ではマメコバチが優れるとされる点が問われやすいポイントです。
覚え方:マメコバチ=「寒さに強い」訪花昆虫。早春に咲くリンゴ・オウトウで活躍。
問4 落葉果樹の花芽分化 落葉果樹の「花芽分化開始期」として、最も適切なものを選びなさい。
- ✅ 枝葉の生育が盛んな前年の初夏(6〜7月頃)から始まる
- 開花直前の3月頃から始まる
- 前年の落葉の頃から始まる
- 冬の休眠期間中に初めて始まる
- 季節に関係なく年間を通じて一定の速度で進む
解説:多くの落葉果樹では、花芽分化は開花する年の前年の初夏(おおむね6〜7月頃)から始まるとされています。つまり、翌年に咲く花の芽は、その前年の夏の生育状態(日照、水分、栄養状態等)に大きく影響を受けるため、収穫後から夏にかけての樹勢管理が翌年の花芽の質・量を左右する重要な時期になります。
覚え方:花芽分化=「咲く前年の夏」から準備が始まっている。
問5 ブドウの無核化処理 ブドウの種なし化(無核化)のためのジベレリン処理について、無核化率をさらに向上させるために併用されることがある資材として、最も適切なものを選びなさい。
- ✅ ストレプトマイシン
- 石灰イオウ合剤
- 展着剤
- エテホン
- ホルクロルフェニュロン(フルメット)
解説:ブドウの種なし栽培では、開花前後にジベレリン処理を行いますが、ジベレリン単独処理では100%の無核化が難しい場合があり、抗生物質であるストレプトマイシンを併用することで無核化率を高める処理が行われることがあります。ホルクロルフェニュロン(フルメット)は主に果実の肥大促進、エテホンは着色促進などに用いられ、それぞれ目的が異なります。
覚え方:無核化率アップ=ジベレリンだけでは足りない分を「ストレプトマイシン」で補う。
問6 ブドウの短梢せん定 ブドウの短梢せん定の特徴として、最も適切なものを選びなさい。
- ✅ 結果母枝を1〜3芽程度に短く切るため技術習得が容易で、果実も主枝の左右に整然と並び作業効率が良い
- せん定や誘引に高度な技術が必要で、初心者には扱いが難しい
- 新梢の勢力がそろいにくく、房の大きさがそろえにくい
- 樹形の維持が難しく、形が乱れやすい
- 結果母枝を長く残すことが最大の特徴である
解説:短梢せん定は、結果母枝を1〜3芽程度に短く切りつめて仕立てる方法で、長梢せん定に比べてせん定作業の技術習得が容易で、果実が主枝に沿って整然と並ぶため管理・収穫作業の効率が良いという特徴があります。新梢の勢力がそろいやすく、樹形も維持しやすい点も長所として挙げられます。
覚え方:短梢せん定=「短く切って揃える」からこそ扱いやすい仕立て方。
問7 カンキツの浮き皮 ウンシュウミカンなどカンキツ類に発生する「浮き皮」の説明として、最も適切なものを選びなさい。
- ✅ 果皮と果肉の間にすき間ができ、果皮がブカブカと浮いた状態になる生理障害で、秋季以降の高温と多湿な条件で発生しやすい
- 果皮に虫が食入し、果肉との間に空洞を作る食害である
- 果実の表面に白いカビが浮き上がる病気である
- 窒素不足によって果皮が異常に硬化する生理障害である
- 低温によって果皮が凍結し、果肉から分離する障害である
解説:浮き皮は、カンキツ類の果実で果皮と果肉(じょうのう)の間にすき間が生じ、果皮が本来の張りを失ってブカブカとした状態になる生理障害です。秋季以降の高温・多雨(多湿)などの気象条件下で発生しやすいとされ、食味や見た目、貯蔵性の低下につながるため、着果管理や排水対策などが予防のポイントになります。
覚え方:浮き皮=「皮と果肉の間にすき間」。秋の高温多湿が引き金。
問8 リンゴの蜜入り リンゴの果実を切った際に放射状に観察される「蜜入り」の症状に関する説明として、最も適切なものを選びなさい。
- マンガンの過剰吸収によって起こりやすい症状である
- ✅ ソルビトールが細胞間隙にしみ出し、水と結合して果肉が半透明にみえる現象である
- 石灰(カルシウム)の施用によって抑制できる生理障害である
- 小さい果実や成熟が進んでいない果実で発生しやすい症状である
- 果点を中心に褐色の斑点が現れる病気である
解説:リンゴの蜜入りは、果実内で作られた糖アルコールの一種であるソルビトールが果肉の細胞間隙にしみ出し、水分と結びつくことで組織が半透明に見える現象です。一般に十分に成熟が進み、大きく肥大した果実で見られやすく、品種(ふじ等)によっては食味の良さの指標として評価されることもあります。石灰施用で抑制される類の生理障害ではありません。
覚え方:蜜入り=「ソルビトールがしみ出す」ことで生じる半透明の現象。
問9 果実の貯蔵性向上技術 リンゴやニホンナシ果実の貯蔵性向上を目的として利用される植物成長調整剤として、最も適切なものを選びなさい。
- インドール酪酸(IBA)
- エテホン
- ✅ 1-メチルシクロプロペン(1-MCP)
- ストレプトマイシン
- ジベレリン
解説:1-メチルシクロプロペン(1-MCP)は、果実の老化・追熟を進める植物ホルモンであるエチレンの働きを阻害する作用があり、収穫後の果実(リンゴ、ニホンナシ等)に処理することで軟化や品質低下を遅らせ、貯蔵性を向上させる目的で利用されます。インドール酪酸は発根促進、エテホンはエチレン様作用(追熟・着色促進)、ストレプトマイシンは抗生物質、ジベレリンは伸長促進など、それぞれ異なる働きを持ちます。
覚え方:1-MCP=エチレンの働きを「ブロック」して鮮度を保つ貯蔵性向上剤。
問10 落葉果樹の人工受粉 落葉果樹の人工受粉に関する説明として、最も適切なものを選びなさい。
- 人工受粉は、花が夜露にぬれている早朝に行うのが効果的である
- ✅ 花粉を貯蔵する場合は、低温で乾燥した状態で保存する
- 花粉はどのような条件に置いても発芽能力は低下しない
- 花粉の採集は、雄しべの葯を集めたら開葯(葯を開かせる処理)をせずに直ちに受粉に用いる
- 人工受粉を行う際は、石松子などの増量剤を使用してはならない
解説:落葉果樹の人工受粉に用いる花粉は、低温・乾燥の条件で保存することで発芽能力の低下を抑えて比較的長期間貯蔵することができます。花粉は高温・多湿の条件では急速に発芽能力が低下するため注意が必要で、採集した葯は開葯(自然に開かせて花粉を取り出す処理)を経てから受粉に用います。花粉の量を調整するために石松子などの増量剤を混ぜて用いることも一般的な実務です。
覚え方:花粉の保存=「低温+乾燥」が長持ちの鉄則。
問11 果樹の摘果 果樹栽培における「摘果」の目的として、最も適切なものを選びなさい。
- ✅ 着果数を減らすことで、残した果実の肥大を促し品質を高めるとともに、隔年結果を緩和する
- 着果数を増やすことで、総収量を最大化することのみを目的とする
- 病害虫の被害果を放置し、あえて収穫量を減らさないようにする作業である
- 花芽の形成を完全に止めるために行う作業である
- 根の量を人為的に減らすために行う作業である
解説:摘果は、結実した果実の一部を人為的に間引く作業で、残された果実に養分を集中させることで果実の肥大・品質(糖度・大きさ等)を高める効果があります。あわせて、その年の結実数を適正化することで、樹に養分の蓄積余力を残し、隔年結果(表年と裏年で収量が大きく変動する現象)を緩和する効果も期待されます。
覚え方:摘果=「量より質」への切り替えと、来年のための体力温存の両方を狙う作業。
問12 隔年結果 果樹における「隔年結果」の説明として、最も適切なものを選びなさい。
- 毎年まったく同じ収量が安定して得られる現象のことである
- ✅ ある年に多く結実(表年)すると、その翌年は結実が少なくなる(裏年)現象が交互に繰り返されることである
- 2年に1度しか開花しない果樹の性質のことである
- 収穫を2年ごとに行う栽培方式のことである
- 隔年結果は摘果などの管理では一切緩和できない現象である
解説:隔年結果は、ある年に着果量が多い(表年)と、その年に多くの養分が果実の肥大・成熟に使われて花芽形成に回る養分が不足し、翌年の着花・着果量が少なくなる(裏年)現象で、多くの果樹で見られます。適切な摘果や施肥管理によって年ごとの着果量の変動を小さくし、隔年結果を緩和することが可能とされています。
覚え方:隔年結果=「表年でがんばりすぎると、裏年で息切れする」現象。
問13 果樹の台木利用 果樹の栽培において「わい性台木」を利用する目的として、最も適切なものを選びなさい。
- 樹をできるだけ大きく成長させ、収穫量を最大化するため
- ✅ 樹の草丈(樹高)を抑えてコンパクトに仕立て、作業性や早期成園化を図るため
- 病害虫への抵抗性を完全になくすため
- 果実の糖度を必ず低下させるため
- 接ぎ木自体を不要にするため
解説:わい性台木は、穂木となる品種を接ぎ木する際の台木として、樹の生育をコンパクトに抑える性質を持つ台木です。樹高を低く抑えることで管理・収穫作業の効率化や、早い時期からの結実(早期成園化)を図ることができ、リンゴなどの栽培で広く利用されています。病害虫抵抗性の付与や糖度低下を目的とした技術ではありません。
覚え方:わい性台木=樹を「コンパクトに保つ」ための土台選び。
問14 果樹の整枝法 果樹の整枝法のうち「開心自然形」の特徴として、最も適切なものを選びなさい。
- 主幹を上に高く伸ばし、樹の中心に光が入らない密閉した樹形に仕立てる方法である
- ✅ 主幹の先端を早い段階で切り、主枝を左右や周囲に配置して樹の中心部に光や風が通るように仕立てる方法である
- 枝を一切せん定せず、自然に任せて放置する方法である
- すべての果樹に共通する唯一の整枝法である
- 地面と水平に枝を這わせるだけの仕立て方である
解説:開心自然形は、主幹の先端を若木のうちに切り、そこから発生させた複数の主枝を樹の周囲に配置することで、樹冠内部(中心部)まで光や風が届きやすい構造に仕立てる整枝法です。日照条件の改善による果実品質の向上や、管理作業のしやすさを目的として、多くの落葉果樹で採用されている代表的な樹形の一つです。
覚え方:開心自然形=樹の「中心を開けて」光を届ける仕立て方。
問15 ブドウの着色管理 ブドウの果皮の着色(アントシアニン色素の蓄積)を促進する条件として、最も適切なものを選びなさい。
- 着色期における昼夜の気温差が小さいこと
- ✅ 着色期における昼夜の気温差が大きいこと
- 着色には温度は一切関与せず、日照量のみで決まる
- 強い直射日光を完全に遮ること
- 着色は品種にかかわらず、栽培管理では一切コントロールできない
解説:ブドウ(特に黒系・赤系品種)の果皮の着色には、アントシアニン色素の蓄積が関わっており、着色期における昼夜の気温差(日較差)が大きいほど、夜間の呼吸による糖の消耗が抑えられ、着色が促進されやすいとされています。適度な日照も着色に関与しますが、極端な直射日光の集中は日焼け等の別の障害を招くこともあり、バランスの取れた管理が求められます。
覚え方:着色の鍵=「昼夜の寒暖差」。差が大きいほど色づきが良くなりやすい。
問16 カンキツの貯蔵病害 カンキツ類の貯蔵中に発生しやすい病害である「緑かび病」の説明として、最も適切なものを選びなさい。
- 収穫前のほ場でのみ発生し、貯蔵中には発生しない病気である
- ✅ 糸状菌による病気で、果実の傷口などから感染し、貯蔵・流通中に青緑色のカビが広がる
- 細菌による病気で、果皮に黒い斑点のみを生じる病気である
- ウイルス病であり、果肉内部にのみ症状が現れる病気である
- 生理障害であり、病原体は一切関与しない現象である
解説:緑かび病は糸状菌(カビ)が原因の病気で、収穫・選果・輸送時などにできた果実の傷口から感染し、貯蔵・流通中に青緑色の胞子が果実表面に広がって腐敗を進行させます。収穫時の丁寧な取り扱いによる傷防止や、貯蔵環境(温度・湿度)の適正な管理が発生の抑制に重要です。
覚え方:緑かび病=「傷口」から入り込み、貯蔵中に広がるカビ病。
問17 モモの摘蕾・摘果 モモ栽培における摘蕾・摘果の一般的な進め方として、最も適切なものを選びなさい。
- 収穫直前に一度だけまとめて摘果を行う
- ✅ つぼみの段階(摘蕾)から開花後・幼果期(摘果)にかけて、段階的に着果数を減らしていく
- 摘蕾・摘果は一切行わず、着いた果実をすべて収穫まで残す
- 摘蕾・摘果は病害虫防除の一環としてのみ行い、収量調整とは無関係である
- 摘果は必ず1回のみで、複数回に分けて行うことはない
解説:モモなどの果樹では、つぼみの段階で行う摘蕾から始まり、開花後・幼果期にかけて複数回に分けて摘果を行い、段階的に着果数を最終的な適正水準まで減らしていくのが一般的な管理の流れです。早い段階から着果数を調整することで、樹への負担を軽減し、残した果実の品質向上につなげます。
覚え方:摘蕾→摘果=「つぼみのうちから」段階的に数を絞り込んでいく。
問18 カキの脱渋 渋ガキの渋みを取り除く「脱渋」処理の原理として、最も適切なものを選びなさい。
- 果肉中の糖分を人為的に増加させることで渋みを感じさせなくする
- ✅ 果肉中の可溶性タンニンを不溶化させ、渋みを感じさせなくする
- 果皮の色素を分解し、外観の渋そうな色をなくす処理である
- 果肉中の水分をすべて除去する処理である
- 種子の発芽能力を高めるための処理である
解説:渋ガキの渋みは、果肉中に含まれる水溶性(可溶性)のタンニンが唾液に溶け出し、舌で渋みとして感じられることによるものです。脱渋処理(アルコール処理や炭酸ガス処理、干し柿にする乾燥処理等)は、このタンニンを不溶化(水に溶けない状態に変化)させることで、渋みを感じさせなくする技術です。糖分の増加そのものが渋みを消す仕組みではありません。
覚え方:脱渋=渋み成分(タンニン)を「溶けない形」に変えて感じなくさせる技術。
問19 果樹の霜害対策 開花期の果樹園における晩霜害(遅霜による被害)の対策として、最も適切なものを選びなさい。
- ✅ 送風機(防霜ファン)による上空の暖気の攪拌や、散水氷結法(水を散布し氷結時の潜熱を利用する方法)などが用いられる
- 霜害対策には一切の方法がなく、被害は避けられない
- 開花を人為的に早めることでのみ対策できる
- 遮光資材で完全に光を遮ることが唯一の対策である
- 霜害は気温が高い日中にのみ発生するため、夜間の対策は不要である
解説:開花期の果樹は低温・霜に対して弱く、花や幼果が凍害を受けると結実に大きな影響が出ます。対策としては、地表付近に滞留する冷気と上空のやや暖かい空気を送風機で攪拌して地表の気温低下を防ぐ方法や、水が氷になる際に放出される潜熱(凝固熱)を利用して周囲の温度低下を緩和する散水氷結法などが代表的です。霜害は夜間から早朝の放射冷却によって発生しやすいため、夜間の対策が重要です。
覚え方:霜害対策=「空気をかき混ぜる」か「氷結の熱を利用する」かの2大手法。
問20 せん定枝の処理 果樹のせん定後に発生するせん定枝の処理に関する説明として、最も適切なものを選びなさい。
- 病害に感染した枝も含め、すべてのせん定枝を園内にそのまま放置してよい
- ✅ 病害虫の発生源とならないよう、園外への持ち出しや焼却など適切な処理を行うことが望ましい
- せん定枝の処理方法は、収量や品質に一切影響しない
- せん定枝は必ず堆肥化しなければならず、他の処理方法は認められない
- せん定枝は病害虫の温床にはならないため、特別な配慮は不要である
解説:病害に感染した枝や害虫が越冬・潜伏している可能性のあるせん定枝を園内に放置すると、翌年以降の病害虫の発生源となるおそれがあります。そのため、せん定枝は園外への持ち出しや適切な焼却・処分などにより、園内の病害虫密度を下げる管理を行うことが望ましいとされています。
覚え方:せん定枝の放置=「病害虫の巣」になりかねない。持ち出し・処分が基本。
問21 果実肥大期の水分管理 果実肥大期における極端な土壌水分の変動(乾燥後の急な多量かん水等)が引き起こしやすい生理障害として、最も適切なものを選びなさい。
- ✅ 果実の裂果(表皮が割れる障害)
- 果実の着色不良のみ
- 果実の糖度の急激な上昇のみ
- 花芽分化の完全な停止
- 根の完全な枯死
解説:果実肥大期に土壌が乾燥した状態から急激に多量の水分(降雨やかん水)を吸収すると、果実内部の膨圧が急上昇し、表皮の成長がそれに追いつかずに裂けてしまう「裂果」が発生しやすくなります。これは野菜(トマト等)と共通する現象で、果樹でもブドウやサクランボなどで見られ、安定した土壌水分管理(乾湿の差を小さくする)が予防のポイントです。
覚え方:果樹の裂果も野菜と同じ理屈=「乾燥後の急な吸水」が引き金。
問22 果樹の休眠打破 落葉果樹の「休眠打破」に関する説明として、最も適切なものを選びなさい。
- ✅ 休眠打破には一定量の低温にあうこと(低温要求量を満たすこと)が必要な品種が多い
- 休眠打破には高温にあうことのみが必要であり、低温は一切関係しない
- 休眠打破は日長の長さのみによって決まり、温度とは無関係である
- 休眠打破が起こらなくても、開花・生育にはまったく影響しない
- 休眠打破は種子繁殖にのみ関わる現象で、果樹の芽の休眠とは無関係である
解説:多くの落葉果樹の芽は、休眠から覚めて正常に萌芽・開花するために、冬季に一定量の低温(低温要求量)を経験する必要があります。暖冬などで低温要求量が十分に満たされないと、休眠打破が不完全になり、開花のばらつきや発芽不良といった生育障害につながることがあります。
覚え方:休眠打破=「冬の寒さの貯金」が足りないと、春の目覚めがうまくいかない。
問23 果樹の施肥 果樹栽培における「礼肥」の説明として、最も適切なものを選びなさい。
- 開花前に施す、開花を促進するための肥料のことである
- ✅ 収穫後、樹の消耗した養分を補い、翌年に向けた樹勢回復を図るために施す肥料のことである
- 収穫直前にのみ施す、果実の糖度を急上昇させるための肥料のことである
- 苗木を植え付ける際にのみ用いる肥料のことである
- せん定作業の代わりに行う施肥のことである
解説:礼肥は、収穫によって消耗した樹の養分を補い、その後の秋の根の伸長や翌年の花芽の充実・樹勢の回復につなげることを目的として、収穫後の時期に施す肥料です。名前の由来は「収穫のお礼」という意味合いとされ、開花前に施す肥料(元肥的な位置づけ)や収穫直前の施肥とは時期・目的が異なります。
覚え方:礼肥=収穫の「お礼」として、収穫後に樹の体力を戻すための肥料。
問24 リンゴの品種特性 リンゴの主要品種「ふじ」の特性として、最も適切なものを選びなさい。
- 極早生品種で、他の主要品種より収穫時期がかなり早い
- ✅ 貯蔵性に優れ、比較的遅い時期に収穫される晩生品種として広く栽培されている
- 自家和合性が非常に強く、単植(1品種のみ)でも安定して結実する
- 果皮の色は常に黄色一色で、赤色にはならない品種である
- 国内ではほとんど栽培されておらず、輸出専用の品種である
解説:「ふじ」は日本で最も広く栽培されているリンゴ品種の一つで、貯蔵性に優れ、比較的収穫時期の遅い晩生品種として知られています。自家不和合性があるため、安定した結実のためには異なる品種の混植や人工受粉など授粉樹の確保が必要です。国内外で広く流通・栽培されている代表品種です。
覚え方:ふじ=「貯蔵性が高い晩生品種」の代表。単植では結実しにくい点も注意。
問25 ブドウの仕立て方 ブドウ栽培における「棚仕立て」と「垣根仕立て」の違いに関する説明として、最も適切なものを選びなさい。
- ✅ 棚仕立ては枝を水平方向に棚の上に這わせる方式で、垣根仕立ては枝を垣根状に上に向けて仕立てる方式である
- 棚仕立てと垣根仕立ては、まったく同一の仕立て方の別名にすぎない
- 垣根仕立ては日本の生食用ブドウ栽培では一切用いられない方式である
- 棚仕立ては欧米のワイン用ブドウ栽培でのみ用いられる方式である
- 垣根仕立てのほうが、常に棚仕立てより多くの収量が得られる
解説:棚仕立ては、支柱と針金で組んだ棚の上に枝を水平方向に誘引して広げる仕立て方で、日本の生食用ブドウ栽培で広く用いられます。垣根仕立ては、支柱に沿って枝を垣根状・列状に仕立てる方式で、機械化がしやすく、欧米のワイン用ブドウ栽培で多く採用されていますが、日本の生食用栽培でも導入が進んでいます。両者は目的や作業性、収量・品質の特性が異なる別々の仕立て方です。
覚え方:棚仕立て=「横に広げる」、垣根仕立て=「列状に立てる」。方向性の違いで覚える。
問26 果樹の微量要素欠乏 果樹における苦土(マグネシウム)欠乏症の一般的な症状として、最も適切なものを選びなさい。
- 新葉から先に症状が現れ、古い葉には症状が出ない
- ✅ 下位の古い葉の葉脈間から黄化が始まりやすい
- 果実の表皮のみに症状が現れ、葉には一切影響しない
- 根が異常に肥大する症状が現れる
- 花芽の形成数が異常に増加する
解説:マグネシウムは植物体内を比較的移動しやすい養分であるため、不足すると野菜と同様に果樹でも下位の古い葉から症状が現れやすく、葉脈間が黄化する一方で葉脈自体は緑色を保つ特徴的な症状が見られます。落葉果樹では特に結実過多の年に果実へ養分が集中し、葉のマグネシウム欠乏症が現れやすくなることがあります。
覚え方:果樹の苦土欠乏も野菜と同じ=「古い葉」+「葉脈間黄化」が目印。
問27 果樹の病害 リンゴの重要病害である「黒星病」の特徴として、最も適切なものを選びなさい。
- ✅ 糸状菌が原因で、葉や果実にすす状・黒色の病斑を形成する病気である
- 細菌が原因で、枝や幹から樹液が滲み出る病気である
- ウイルスが原因で、果実にのみ症状が現れる病気である
- 生理障害であり、病原体は一切関与しない
- 害虫の食害によって二次的に生じる傷にすぎない
解説:リンゴの黒星病は糸状菌が原因の病気で、葉や果実にすす(煤)を塗ったような黒っぽい病斑を形成します。降雨の多い年に発生が助長されやすく、防除には適用のある薬剤による予防散布や、感染源となる落葉・罹病果実の除去などの耕種的防除が組み合わせて行われます。
覚え方:黒星病=「すす状の黒い斑点」が名前の由来。糸状菌が原因。
問28 果樹の接ぎ木 果樹の高接ぎ(成木の枝に別品種を接ぎ木して品種更新を行う技術)の利点として、最も適切なものを選びなさい。
- ✅ 樹を伐採して苗木から植え直すよりも短期間で新品種の収穫を得やすい
- 根をすべて入れ替えることができる技術である
- 土壌病害を完全にリセットできる技術である
- 高接ぎを行うと、必ず樹の寿命が縮まり収量が低下し続ける
- 高接ぎは種子繁殖の一種であり、接ぎ木の技術とは異なるものである
解説:高接ぎは、既存の成木の骨格(主幹・主枝等)を生かしたまま、その枝に新しい品種の穂木を接ぎ木して品種を更新する技術です。苗木から植え直す場合に比べて既存の根や骨格をそのまま利用できるため、新品種の収穫開始までの期間を短縮しやすい利点があります。根の入れ替えや土壌病害のリセットができるわけではありません。
覚え方:高接ぎ=「木はそのまま、品種だけ着せ替える」品種更新の近道。
問29 果樹の環状はく皮 果樹栽培で行われる「環状はく皮」(枝や幹の樹皮を帯状にはぎ取る処理)の効果として、最も適切なものを選びなさい。
- ✅ 根で作られた養分が地上部へ運ばれるのを遮断し、逆に葉で作られた養分(光合成産物)を局所的に蓄積させ、花芽形成や果実肥大を促す効果が期待される
- 樹を完全に枯死させるために行う処理である
- 病害虫を一切寄せ付けなくする効果がある
- 根の量を増やすことのみを目的とした処理である
- 土壌の水分量を調整する処理である
解説:環状はく皮は、枝や幹の樹皮(師部)を帯状にはぎ取ることで、葉で作られた光合成産物が根へ移動するのを一時的に妨げ、はく皮部より上(葉側)に養分を蓄積させる技術です。これにより花芽形成の促進や果実の肥大・糖度向上といった効果が期待される一方、過度な処理は樹を弱らせるリスクもあるため、適切な範囲・時期で行うことが重要です。
覚え方:環状はく皮=師部を切って「養分の通り道」を一時的に堰き止める技術。
問30 果樹の防除歴 果樹園で作成・運用される「防除歴(防除暦)」の説明として、最も適切なものを選びなさい。
- その年の天気予報のみを記載した記録表である
- ✅ 生育ステージや過去の発生状況等をふまえ、病害虫防除の時期・薬剤の使用計画をまとめた計画表である
- 収穫した果実の販売価格のみを記録した帳簿である
- せん定作業の日程のみをまとめた表である
- 農薬を一切使用しないことを宣言する証明書である
解説:防除歴(防除暦)は、対象とする果樹の生育ステージ(発芽・開花・幼果期等)や地域の病害虫の発生状況、過去の実績などをふまえて、いつ・どの薬剤を・どの程度の間隔で使用するかをあらかじめ計画的にまとめた表です。農薬取締法に基づく安全使用基準(適用作物・使用回数・希釈倍率等)を守った計画を立てることが、防除歴作成における重要なポイントになります。
覚え方:防除歴=「いつ・何を・どれだけ使うか」をあらかじめ決めた防除の計画表。
問31 果樹の結果習性 果樹の結果習性(どこに花芽がつき、実がなるか)について、最も適切なものを選びなさい。
- モモは前年に伸びた枝の先端の芽にだけ花芽がつく
- リンゴは当年に伸びた新梢の先端にだけ花が咲く
- ブドウは2年以上前の古い枝にだけ花が咲く
- ✅ モモは前年に伸びた枝(1年枝)のわき芽に花芽がつく
- 結果習性は果樹の種類によらずすべて同じである
解説:モモやウメは、前年に伸びた1年枝のわき芽(側芽)に花芽がつきます。リンゴやナシは、短果枝などの頂芽に、葉と花の両方を含む混合花芽がつく性質があります。ブドウやカキは、混合花芽から伸びた新梢に花がつきます。結果習性を理解していないと、せん定で花芽を切り落としてしまうため、せん定の基本となる知識です。
覚え方:モモはわき芽に花芽。リンゴ・ナシは短い枝の先に混合花芽。
問32 生理落果 果樹で、結実後の初夏などに未熟な果実が自然に多く落ちる現象を何というか。最も適切なものを選びなさい。
- 単為結果
- 隔年結果
- 日焼け果
- 裂果
- ✅ 生理落果
解説:生理落果は、受精が不十分だった果実や、樹の養分が足りずに育ちきれない果実が、自然に落ちる現象です。カンキツなどでは初夏に多く見られ、「ジューンドロップ」とも呼ばれます。樹が実の数を自ら調整するしくみともいえ、摘果の時期や程度を判断するときには、生理落果が落ち着いてから仕上げ摘果を行うことがあります。
覚え方:初夏にぽろぽろ落ちる=生理落果(ジューンドロップ)。
問33 果実の日焼け 夏季の果樹で発生する「日焼け果」の対策として、最も適切なものを選びなさい。
- ✅ 強い日射が当たる果実を葉で守り、極端な摘葉や強いせん定を避ける
- 日中の高温時に、果実へ冷たい水を大量にかけ続ける
- 日焼け果は病気なので、殺菌剤を散布する
- 窒素肥料を減らして、葉の数を減らす
- 果実が日光によく当たるよう、夏に葉をすべて取り除く
解説:日焼け果は、夏の強い日射と高温で果皮の温度が上がりすぎて、果皮が変色・壊死する障害です。リンゴやカンキツなどで発生します。果実が直射日光にさらされすぎないよう、極端な摘葉や強いせん定を避け、必要に応じて袋かけや遮光資材、日焼け防止剤(炭酸カルシウム剤など)を利用します。
覚え方:日焼けは障害。葉の日傘で防ぐ。
問34 根域制限栽培 ブドウなどで行われる根域制限栽培の特徴として、最も適切なものを選びなさい。
- 肥料を一切与えず、自然のままに育てる
- ✅ 根が張る範囲を限ることで樹の勢いを調節し、水分・養分の管理をしやすくして品質を高める
- 根を切り取って、果樹を枯らさずに休眠させる
- 根を空気中に出して、根から光合成をさせる
- 根を地中深くまで自由に伸ばし、樹を大きく育てる
解説:根域制限栽培は、防根シートや盛り土、コンテナなどで根の広がる範囲を制限し、樹の勢い(樹勢)を抑えながら、かん水や施肥を細かく管理する方法です。早期成園化や果実品質の向上が期待できる一方、土の量が少ないため乾燥しやすく、こまめな水管理が欠かせません。
覚え方:根を囲って、水と肥料をコントロール。
問35 キウイフルーツの雌雄異株 キウイフルーツの栽培で、雄木を植える必要がある理由として、最も適切なものを選びなさい。
- ✅ 雌雄異株で、雌木だけでは受粉できず実がつかないため
- 雄木の根が雌木の根を病気から守るため
- 雄木を植えると果実の糖度が下がるため
- 雄木の方が果実が大きく、収量が多いため
- 雄木は台木として雌木に接ぎ木するためだけに使うため
解説:キウイフルーツは雄花をつける雄木と雌花をつける雌木が別々の「雌雄異株」の果樹です。果実をつけるのは雌木ですが、受粉には雄木の花粉が必要なため、園には雌木の数に応じて雄木を混植するか、雄木の花粉を採取して人工受粉を行います。開花期が雌木と合う雄木の品種を選ぶことも大切です。
覚え方:キウイは雄木と雌木が別。雌木だけでは実らない。
問36 甘ガキと渋ガキ カキの品種と分類の組み合わせとして、最も適切なものを選びなさい。
- 甘ガキと渋ガキの違いは、果実の大きさだけで決まる
- 富有・次郎は渋ガキ、平核無は完全甘ガキ
- 富有も平核無も、すべて渋ガキである
- 富有も平核無も、すべて完全甘ガキである
- ✅ 富有・次郎は完全甘ガキ、平核無は渋ガキ
解説:カキは、樹上で渋が抜ける甘ガキと、渋を抜く処理(脱渋)が必要な渋ガキに分けられます。富有や次郎は、種の有無にかかわらず渋が抜ける「完全甘ガキ」の代表品種です。平核無(ひらたねなし)や刀根早生は渋ガキで、アルコールや炭酸ガスで脱渋してから出荷します。
覚え方:富有・次郎=甘い。平核無=渋を抜いてから。
問37 果実の糖度測定 果実の糖度(Brix)を測る際に広く使われる器具の原理として、最も適切なものを選びなさい。
- ✅ 果汁による光の屈折の度合いから、可溶性固形物の濃度を測る
- 果実の色の濃さを目で見て判断する
- 果実の重さと大きさから、糖度を計算する
- 果汁の電気の流れやすさだけから、糖度を測る
- 果汁を煮詰めて残った砂糖の重さを量る
解説:糖度計(屈折計)は、果汁に含まれる糖などの可溶性固形物の濃度が高いほど光の屈折が大きくなる性質を利用して、Brix値を測ります。また、選果場では、近赤外線を果実に当てて内部の糖度などを非破壊で測る光センサーが普及しており、果実を傷つけずに全数を選別できるようになっています。
覚え方:糖度計=光の曲がり方で測る(屈折計)。
問38 シンクイムシ類 モモやリンゴなどで問題となるシンクイムシ類の被害として、最も適切なものを選びなさい。
- 花粉を食べて受粉を妨げる
- ✅ 幼虫が果実の内部に食い入り、果肉を食害する
- 幹の表面にカビを発生させる
- 根に寄生してこぶをつくる
- 葉の汁を吸ってすす病を誘発する
解説:シンクイムシ類(モモシンクイガ、ナシヒメシンクイなど)は、ふ化した幼虫が果実の中に食い入り、果肉を食害する害虫です。外から見えにくく被害に気づきにくいため、袋かけや性フェロモン剤による交信かく乱、発生時期に合わせた防除が重要です。被害果は放置せず、早めに処分して次の発生源を減らします。
覚え方:シンクイ=芯を食う虫。実の中に入る。
問39 縮伐と間伐 密植した果樹園で、樹冠が重なり合ってきたときに行う管理として、最も適切なものを選びなさい。
- 樹冠が重なった部分の果実だけを残し、他を摘果する
- すべての樹の施肥量を倍にする
- ✅ 一部の樹の枝を切り詰める縮伐や、樹そのものを間引く間伐を行い、光環境を改善する
- さらに苗木を植えて、樹の本数を増やす
- せん定をやめて、樹を自由に伸ばす
解説:初めに密植して早くから収穫を得る方式では、樹が大きくなると樹冠が重なり、日当たりが悪くなって果実品質が落ちます。そこで、残す樹(永久樹)の生育に合わせて、間に植えた樹(間伐予定樹)の枝を切り詰める縮伐を行い、最終的にその樹を抜く間伐を行います。計画的に進めることで、収量を保ちながら園の光環境を改善できます。
覚え方:混み合ったら、まず縮伐、のちに間伐。
問40 ブドウの花穂整形 ブドウ(巨峰など)の栽培で開花前に行う花穂整形の目的として、最も適切なものを選びなさい。
- 花穂を枝ごと切り落とし、樹勢を弱める
- ✅ 花穂の上部の支梗などを切り詰め、房の形と大きさを整えて着粒を安定させる
- 花穂をすべて切り取り、翌年の花芽を増やす
- 花穂を袋で覆い、受粉させないようにする
- 花穂に土をかけて、温度を保つ
解説:巨峰など大粒品種のブドウは、花穂(花の房)が大きく、そのままでは粒のつきが不安定で房の形も乱れます。開花前に上部の支梗(枝分かれした部分)を切り落とし、房先を残して花穂の長さを整える花穂整形を行うことで、房の形や大きさがそろい、着粒も安定します。その後、ジベレリン処理や摘粒で房を仕上げていきます。
覚え方:房づくりは開花前の花穂整形から。
他の分野(2級)
共通(農業一般)
全受験者が解く必須分野。農業政策・農業経営、農業簿記、農地制度など、3級よりも制度・実務に踏み込んだ内容を問います。
作物
イネ・ムギ・ダイズなど土地利用型作物の栽培管理、病害虫、種苗、農薬の使用計算などを問う選択科目です。
野菜
トマト・キュウリ・ダイコンなど野菜類の栽培技術、養液栽培、生理障害、病害虫防除などを問う選択科目です。
花き
キク・カーネーション・ラン類など花き類の栽培、植物成長調整剤、切り花障害などを問う選択科目です。
畜産
牛・豚・鶏の繁殖生理、飼料、家畜衛生、畜産物の生産などを3級より専門的に問う選択科目です。
食品
農産物加工・食品製造の原理、発酵、製造工程、成分・添加物などを3級より専門的に問う選択科目です。
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